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第39話
父に話を聞き俺は走った
何で…
もう少しで目的地に到着する
「水無月?」
「葉月先輩」
「そんなに急いでどうしたの?」
「えと…人に会いに」
「そうなんだ。方向一緒だし途中まで一緒に行かない?」
葉月先輩とこんなところで遭遇するなんて稀で断る理由もないので一緒に歩く。
睦月と体を繋げたあの日から何かとバタバタしていて委員会以外のことをゆっくり話すこともなかった…
もう気持ちはない。汚れた体の俺には葉月先輩を好きでいる資格なんてない…だから…好きの気持ちは持ってはいけない。
何度も何度も自分に言い聞かせているのにやっぱり葉月先輩への思いは消えてくれなくて…
隣を歩けることがとても嬉しくて…苦しくて…幸せで…切なくて…色んな思いが交差する自分の気持ちを落ち着かせるため息を吐く…
「ごめんね。急いでたのに。時間平気だったの?呼び止めといてなんだけど…」
「…ちゃんと約束とかしていたわけじゃないから会えるかもわからなかったんです。」
「でも会いたい人なんだ?恋人?」
「いいえ」
「好きな人?」
「いいえ。でも…恩人なんです」
「恩人?」
「はい」
他愛ない話をしながら目的地につく
「ここです」
「そうなの?一緒だね」
「え??」
「何号室?」
「2501号室です」
「成兼さんとこ?」
「え?」
「あ…俺も成兼さんに用があって」
「え?…えと…外していた方がいいですよね…俺は約束とかもないし」
「…大丈夫…一緒においで」
久しぶりの璃人さんの家に葉月先輩と一緒に来るなんて…あの頃は思いもしなかった。
ナンパされていたとき気づかなかったのかな?知り合いなら…
あのときは女装してたから聞けないけど…
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