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第67話
睦月じゃない声が俺を呼ぶ。父さん…いや…違うってわかってる…
「…」
「先輩がお前と連絡とれないって心配して俺に連絡くれたんだ。だから俺はここにきた」
「美空…」
これまで聞いたことのない暗く沈んだ声にもう一度布団を被る。
そんな声聞きたくない…まだ…準備出来てない…
「俺は行くけど」
「や!!睦月行かないで」
睦月の声に焦り布団から出て睦月を引っ張った
「うわっ…」
睦月はそのまま俺に倒れ込んできた
「美空。離して…先輩がすごく怖い顔でこっち見てるから。」
「いや!!いやだ!!」
「…わかった…俺…帰る…ごめん…」
先輩の声が震えているのがわかる
パタン…ゆっくりと部屋のドアが閉まった
「ばか!美空。お前何やってんだよ」
「だって…まだ別れるって言われる準備できてない」
「まだそんなこと言ってるのか?お前は見てなかっただろうけど先輩かなり傷ついた顔してたぞ」
「どうして…!!どうして先輩が傷つくのさ!!先に俺を捨てたのは先輩なのに!!俺より女の人選んだのに!!」
「はぁ!?そんなことあるわけ…」
「あるもん!俺と先に約束してたのに…久しぶりに会えるはずだったのに俺との約束よりその人優先にしたもん!!だから俺のことなんか…一時の気の迷いだったんだもん…」
それを聞き睦月が俺を振り払い走り出す
「睦月!!」
「うるさい!!」
あまりのことに呆然としていた
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