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第69話
葉月side
「先輩に会いたくない」
美空が雪輪に体を預けながら呟く
何で?俺…何かした?昨日から連絡がとれなくて心配になり雪輪に様子を見に行ってもらえるよう伝えて俺も美空のもとへ向かった。何か巻き込まれていないだろうか…心配でたまらなくて…それなのに…美空は…俺を拒否している
「美空」
呼んだら布団を被った
側に寄ろうと足を踏み出したとき雪輪が気を使って席をはずそうとしたらその雪輪を引き留めた美空…
美空を押し倒した形になる雪輪に苛立つ…その場所は俺がいいのに…
雪輪は何も悪くないのに…
どうにか離れようとする雪輪にいやだいやだと顔さえ見せてくれない美空…
俺じゃなく雪輪に縋る美空を見ているのが辛くて部屋を出た
外に出ると雪輪がやってきた
鬼の形相…初めて見る雪輪の顔にたじろぐ
そして美空が顔を出さなかった理由を聞く。
違う…あの人は…美空と話さないと
「俺は美空のこと離す気はない。俺は美空が好きだ。一緒にいたい。お前があいつのことまだ思っているのはわかってる。それにお前ならあいつを大事にできることも…でも譲れない。俺はあいつのことが好きだから。話してくる。ありがとう。ごめん」
「先輩。次はないですから」
雪輪に背を向け美空のもとへ向かう。顔を出してくれないかもしれない。でも…
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