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第72話

先輩が大学生になり俺は高校三年。 受験シーズンが到来した俺だけどまだ将来の目標なんて無かった。 進学するのか?就職するのか?それさえ決められずだらだらと過ごす 睦月やひなはすでに目標に向けて頑張っているのに… 俺だけ取り残されてしまったようだ したいこと…見つからない…先輩に相談したらバイトでもしてみたらどうか?と提案され先輩の紹介でリバーサイドカフェでバイトを始めた 俺はキッチンもホールも兼任することになって教育係をつけてもらった キッチンはさなえくん。彼は俺より1つ下だけどかなりしっかりしている。一年ほど休んでいたけど半年前に復帰したようだ 柔らかい感じのとても綺麗な人。日に透けてしまいそうなほど色白で淡い色の髪と瞳が目を引く。 彼の教え方は丁寧ですぐに覚えられた。 その後は共通の趣味もあり仲良くなれた 「さなえくんは将来何するの?」 「まだ決めていないです。色々あって今はゆっくりと考えたくて」 「そっか」 「美空さんは?」 「俺もこんな時期なのにまだ何も…」 「そうですか。美空さん接客向いてますよね。ホールにいるときすごく楽しそうです。お客さんとのコミュニケーションも取れるしお客さんの気持ちを汲み取るのがうまい。美空さんはお菓子についてお客さんと話すときとてもいい顔してます。俺はあまりそういうの得意じゃないから羨ましいです」 確かに話すのは好きだしお客さんが幸せそうにお菓子を食べている姿を見るのも好き そんなとき店長に呼ばれた

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