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第82話
「話って何ですか?父が帰宅してからの方がいい?」
「いや、先に話しておくね。俺ね…陽平と付き合ってるんだ」
「…はい」
「え?驚かない?男同士だよ」
「祥一さん。俺もそうなんです。俺にも男の恋人がいます」
「そうなの?」
「はい。」
「そっか。そっか…あのさ…美空くんがいいならだけど…俺…陽平と一緒に暮らしたいんだ。結婚も考えてる」
「いいですよ。好きな人とは一緒にいたいですよね。俺もそうだから。実は俺も恋人に一緒に住みたいって言われてて。でも父さん寂しがり屋だから心配してたんです。祥一さんが一緒にいてくれるなら俺も安心です」
「美空くんっ!!」
祥一さんに抱きつかれ後ろに倒れ込みんできて唇が触れそうな距離に迫る。恥ずかしさが涌く
「…お前ら…何やってんの?」
父さんの帰宅に気付かなかった
「あのね!あのね!美空くんに俺たちのこと伝えたの!!」
「え!!」
「あ…ダメだった?」
「いや…そのうち話さないとならないことだったし。で?何で俺の可愛い美空を押し倒してるの?」
「ちがっ!!これは…」
「ん?何?祥?」
不穏な空気に居たたまれなくなる
「お仕置きね。美空すこーし煩くなるかも…」
「あ…少し待って…葉月先輩に迎えに来てもらうから。ちなみにこれは祥一さんが父さんと一緒に住むこと俺がいいよ!って言ったからだから。だから心配しないで」
「そうなのか?」
顔を真っ赤にして目を潤ませた祥一さんが思いっきり首肯く。
それをみた父はふんわりと柔らかく笑った
「可愛いな…祥は…」
「え?え?」
「ねぇ、父さん。俺ね葉月先輩に一緒に住もうって言われてて…ここにもマメに帰るから先輩のとこで一緒に住んでもいい?」
「葉月くんのご両親に許可を得たらね」
「うん。わかった。先輩にさっきメッセージ送ったからもうすぐ来るからその時話してみる。でさ俺が出たら楽しんでくれる?流石に気まずいし」
「おぅ。わかった」
「…それ…説得力ない…」
父が気付けば祥一さんを膝に乗せていたずらしていた。既に蕩けたような顔になっている祥一さんはとても可愛らしかった。
「も…待って…陽平…美空くん…見てるから」
「おぅ」
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