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第92話
動けない俺を軽々と抱える先生。
浴室に連れていかれ体を綺麗にしていく
「汚れた姿も勿論可愛いくて綺麗にするのは勿体ないけどそろそろお家帰らないとね」
意外と丁寧な手付きで綺麗にしてくれた
「送ってくね」
もう他の男たちの姿はなく先生の車に乗せられた
「ねぇ。祥一くん」
「はい…」
「また必ず会いに来るから」
「っ…」
「ははっ!そんな怯えないでよ」
「…」
「そんな顔も可愛いけどね…」
帰宅しても共働きの両親は大体家にはいない。帰宅するのは午後9時以降なのはいつものこと
幼稚園の時は祖母が近くに住んでいたので大体の時間を祖母の家で過ごしていたが入学と同時に祖母は亡くなり必然的に全てやるしかなかった
だから大体の家事は四年生ながらある程度は出来た
「あれ?誰もいないの?」
「お父さんもお母さんもお仕事…」
「…そう…ねぇ…祥一くん」
「はい」
「僕も家にあげて?」
断ることなんて出来るわけもなくて家の鍵を渡し鍵を開け中に招き入れた。
体が動かないので取り敢えずソファーに下ろしてもらった
「勝手に冷蔵庫開けるね」
そう言うと手際よく食事の準備をしてくれた。いい臭いが鼻を擽る
「出来たよ。食べられる?」
先生のご飯は優しい味がした
「俺もね祥一くんみたいに一人で過ごすことが多かったんだ」
同じ境遇と言うことでさっきまで酷い扱いを受けていたのに心を許した。
嬉しかったんだ。いつもは自分のあまり美味しいとは言えないものを一人で寂しく食べていたから一緒に食べる人がいるということが
先生は俺が寝付くまで一緒にいてくれた
帰宅した両親は先生に感謝した。
その後も毎日のように先生が訪れるようになった。
あの日以来無理矢理に抱かれることは無くなっていた。
ただ一緒にいて一緒にご飯を食べて一緒に眠ってくれる。
寝付けば先生は帰宅する
両親は先生に大きな信頼を寄せた
俺もあんなことがあったのに先生が大好きになった。
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