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第94話
「うわっ…何?…」
久しぶりに押し倒され体がカタカタと震える
「いっ…一輝?…どうして?」
「祥一くん…俺のものになって…」
初めて見る一輝の顔に困惑する。こんなに苦しそうな…余裕のない顔…綺麗な顔が歪んでる…
「どういうこと?」
「俺は…お前のことが好きだ…こんなの…ダメなことくらいわかってる…でも…好きなんだ…お前と一回りも違う…お前から見たらおじさんだと思う…両親に信頼してもらってるのにこんな気持ち…でも…でも…」
一輝の綺麗な顔に触れる
「ばかだなぁ…一輝は…俺は…ずっとお前のことが好きだよ。陽平とか他の人とは全く違う…確かに酷い目に遭って…怖いって思うこと…夢を見ること…今でもあるよ?…でもね。俺は…お前のことが好きなんだ…俺こそバカだと思うよ?一輝は…」
言葉を繋ごうと開いた唇に一輝の唇が触れる…
暖かい…こんなキス…知らない…あの頃はただ気持ち悪いだけのことだったはずなのに…
「祥一くん…好きだよ…」
「うん…俺も…好きだよ…」
「俺の…恋人になってくれる?」
「うん」
そう言うと綺麗な笑顔で微笑んでくれて俺も釣られて笑う
言葉を交わすでもなくただ抱き締めあっていた
「祥一くん…今日ご両親は?何時頃戻る」
「親父は帰らない。母さんは今日は残業って行ってたからいつもより遅いかも?」
「そう…ねぇ…」
グッと艶っぽくなった一輝が見つめながら囁く
「抱いてもいい?」
「うん…」
二人で手を繋ぎ俺の部屋で抱き合った。
あの頃とは全く違う甘くて優しい交わり
「あの頃は…ごめん…謝っても…許されないことしたけど…」
「うん…怖かった…痛かったよ…でも…大丈夫…一輝だから平気だよ…」
「うん…」
痛みしかなかった行為が今は蕩けるくらい気持ちいい…
「はぁ…祥一くん…平気?」
「ん…気持ちいい…一輝…もっと…して?」
「…っ…煽んないで…優しくできなくなっちゃう…」
「いいよ…一輝…俺を…ぐちゃぐちゃにして?」
「祥一くん…っ」
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