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第108話
陽平side
久富から連絡が入った。
祥が連絡が取れないらしい。
今日は呼び出しがあったから祥とは別々に帰っていた。
「俺もわからない。」
『心当たりはない?』
「…わかんない」
電話で話していたら後ろから呼ばれた
「わかったらまた連絡する。ごめん。役に立たなくて」
『俺も探してみるよ。ありがとう』
「陽平!」
こいつも幼稚園から一緒だ
「恒星?どした?そんな焦って」
「祥一が連れていかれた」
「は?」
「お前最近続けて何度か同じ奴抱いただろ?」
「どれ?」
「どれじゃねぇよ!!何度も恋人にして欲しいっていってる奴いただろ?付き合っている人いるからそいつと別れたら考えてやるって。相手は祥一って話しただろ?」
「誰だよ…?」
「まじお前糞だな。相澤だよ。相澤カノン。とにかくそいつと話していたの見掛けた直後デカイ奴が数人来て祥一を運んで行ったんだ。追いかけたけど見失って…」
恒星は苦しそうに顔を歪めていた。
「お前が巻き込んだんだろ。都合良くいつも側にいる祥一の名前を告げた。相澤は前から噂あっただろ?どんな手を使ってでも欲しいものは手に入れるって。あいつに落ちなかったのはお前だけなんだよ。だからムカついたんだろ。それで祥一を…」
「相澤…」
確かに可愛い顔をしているし体の相性も最高ではまりかけていた。でもあいつに心は動かなかった。俺には恋人がいるから。相手は椿原だ。
俺の後ろを唯一知ってる奴。優しくてかわいくて心配性で。でも怒らせたら恐い奴
相澤の妖艶な笑みと甘い問いかけが思い出された
「ねぇ。陽平くんの恋人って祥一くん?かな?いつも一緒だもんね」
「さぁな」
曖昧な返事を相澤は肯定だと思ったんだろう
「俺のせいで…祥が…」
「そう言ってんだろ!!探すぞ。」
「あぁ…」
戸惑いと後悔が俺の中を駆け巡った
「椿原。俺。俺のせいで祥が相澤にどこかに拉致られた…」
『はぁ!?お前何した』
「俺のセフレが祥が恋人って勘違いしたみたいで…」
『ちっ…だから言っただろ!そいつからはすぐに手を引けって』
「ごめん」
『後でわかってんな?俺も探す。連れていかれそうな場所いくつか心当たりあるから』
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