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第110話

陽平side 「祥一!!」 椿原が探し当てた場所で祥はボロボロになっていた。 綺麗な体は沢山の男たちの欲にまみれ体には赤黒いアザがいくつも出来ていた。 尚も祥の上で腰を振る男に久富が殴りかかった 「俺の祥一に何をした!!」 これまで見たことの無い久富の姿。 周りにいた男たちを次々に捩じ伏せていった。 残るは相澤のみ。 相澤はいつものようにあざとい笑みと声色で久富を誘う。 そんなものに乗るわけもない。 「祥一を返してもらうから」 「祥一くんが悪いんだもん!!陽平くんと別れてくれないから!!何しても別れるって言ってくれないから!!陽平くんは祥一くんのせいで僕を恋人に出来ないって言ったんだもん!!本当は陽平くんは僕のことが好きなのに!!祥一くんが無理矢理…」 「は?お前何言ってるの?祥一は俺の恋人であって陽平くんとはそんな関係じゃない。」 「違うもん!!陽平くんが言ったもん!!」 「言ってねぇ…俺の恋人が祥一だってお前が勝手に勘違いしたんだろ?」 「でも…でも…だって…」 「どのみち祥をこんな目に合わせたんだ。お前のこと好きになるわけがない」 「そんなの…そんなのウソだ!!」 「相澤くん。鍵どこ?」 久富の表情に恐をなし震える手で鍵を手渡してきた 「ありがとう。ねぇ。相澤くん。君はとても魅力的だよ。だから必ず君を心から思ってくれる人が現れる。だから…」 「…」 相澤は俯き震えていた 鍵をはずし祥を立たせる。祥の目に光はない 「っ…祥一くんが…祥一くんが…悪いんだもん…」 振り返ると同時に久富が祥を庇う 「っ…」 あっという間の出来事だった どこに隠し持っていたのかナイフを祥に向け駆けてきた相澤は見たこともないほど歪んだ笑みを浮かべ滴る赤い鮮血を眺めていた 「祥一くんが悪いんだもん…」 壊れたおもちゃのように何度も呟く相澤に足がすくんだ

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