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第112話
その後はどう過ごしていたのか…もう思い出せない…
気づけば時は過ぎ少しずつ…一輝のいた証が薄れていった
陽平のことを恨んだ…二度と顔を見たくないと思った。
長年一緒にいたのに…こんなに顔を見ないのは初めてだった
でも…結局…本当に恨めやしなかった。
だって…一輝が息を引き取る直前言ったんだ…
陽平くんは何も悪くない。どうか恨まないで
祥一くんの大切な人でしょ。離れてはいけないよ。陽平くんといるときが一番祥一くんは祥一くんでいられるのだから。俺はお前を守れて幸せだった
お前と過ごせて幸せだった
一輝の死から3ヶ月。やっとの思いで陽平に会いに行った。
「祥…」
戸惑う陽平に抱き付く
「陽平…陽平…ねぇ…抱いて?」
心に空いた穴を埋めたかった。ちゃんと一輝をわかっている人と心を共有したかった。だから俺は…
初めて陽平に抱かれた。
ひたすら優しくてひたすら熱くて…ひたすら…苦しくて…
「あぁんっ…もっと…陽平…」
「っ…祥…祥…っ…ごめん…ごめんっ…」
「んあっ…あっ…陽平…陽平…っ…」
中身が空っぽになるまで抱き合った
一輝への思いを乗せて…欲を放つ…一輝…大好きだった…愛してた…ねぇ…一輝また…いつか…あなたに会いたい…
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