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第119話
美空と買い物に出て帰るとき飲酒運転の暴走車が突っ込んできた。
美音は必死に美空を突き飛ばしたので幸い美空は軽傷ですんだのだが…
美音は…ほぼ即死だった
霊安室に眠る美音は顔も見れなかった
あまりにも損傷が激しく…医師が見ることを止めた
「母さんは?」
それは突然のこと。美音が亡くなり10日ほどたった頃…陽平が虚ろな瞳で美空に問うた。
「父さん?何言ってるの?母さんは…亡くなったじゃない…」
「美空!縁起でもないこと言うな!!」
陽平が美空を突き飛ばし馬乗りになり美空の首を絞めた。
陽平の力はすさまじくて俺の力だけでは引き剥がすことが出来なかった。
近くに住んでいた恒星を呼び二人掛かりで陽平を止めた
「ごほっ…ごほっ…と…さん…」
これがこの日から一度や二度ではなく繰り返された…俺たちがいないときも行われたこともあり美空くんが意識を失うまで殴り付けられたこともあった
美空は美音によく似ていて…それが陽平を狂わせたのかもしれない
いつしか美空は美音を演じるようになった…そうしていると暴力を奮われることは無くなった。
陽平が帰宅するとき必ず家にいて食事や風呂の準備もしていないとならない美空は部活にも入らず友人と遊ぶより家のことを優先した。
そんな中でも美空にはとても仲のいい幼馴染みがいてその子とは良く遊んでいた。
近くに住む睦月くんはいつも明るくてとても礼儀正しい子だった。睦月くんはよく傷をつけてくる美空の状況を知った上でいつも側にいてくれていた
二人を見てると俺と陽平の幼い頃からの関係を見た気がした
美音と偽り過ごす美空。どこかでやめさせないと…わかっていたけれど美空は笑ってそれを拒否した。
「父さんが求めているなら俺は何にだってなるよ。だってただ1人の家族だから…」
歪んだ二人の関係が心配だった…それなのに俺は海外へ転勤になってしまった。
二人はどうしているのだろう?
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