121 / 184

第121話

陽平side 結婚生活はとても幸せだった 可愛い息子も生まれてまさに順風満帆。 自分で言うのもなんだが絵に描いたような家庭だったと思う… 美音を失うあの日までは。 あの日は結婚記念日だった… そして美空の誕生日でもあった… 水無月家で一番特別な日…。 「行ってきます」 「行ってらっしゃい!今日は陽平の好きな唐揚げとビーフシチュー作って待ってるね」 毎朝恒例のいってらっしゃいのキスをして背を向ける。 笑顔で手を振る姿が俺にとっては最期になった

ともだちにシェアしよう!