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第121話
陽平side
結婚生活はとても幸せだった
可愛い息子も生まれてまさに順風満帆。
自分で言うのもなんだが絵に描いたような家庭だったと思う…
美音を失うあの日までは。
あの日は結婚記念日だった…
そして美空の誕生日でもあった…
水無月家で一番特別な日…。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい!今日は陽平の好きな唐揚げとビーフシチュー作って待ってるね」
毎朝恒例のいってらっしゃいのキスをして背を向ける。
笑顔で手を振る姿が俺にとっては最期になった
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