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第122話
陽平side
その電話が鳴ったのは外回りを終えすぐのことだった。
上司が血相を変えて俺に告げた。
「すぐ病院へ行け…奥さんが…」
何を言っているのか理解が出来ない。動かない俺を見兼ねた同僚…恒星が付き添ってくれた
恒星とはたまたま職場も部署も同じだった。
「おい…おい!!陽平!しっかりしろ。行くぞ」
引き摺られるように職場を後にした。
着いた先の病室のベッドの上に美空が横たわっていた。
さっきまで取り乱し手がつけられなかったため鎮痛剤を投与され眠ったばかりだった。
顔と腕、足に怪我をしていたが精密検査の結果脳は何ともなかったそうだ。
美空は涙の痕を残したまま…苦悶の表情を浮かべていた…
次に通されたのは…霊安室…
医師によると傷がとてつもなく酷く見ない方がいいと言われた…
死に顔も見られないまま美空と手を繋ぎ煙になって上っていく美音を見詰めていた。
結婚してから家事を一切しなくなった俺は家事と仕事でテンテコマイだった
どうしても外せない仕事の時は代わりに祥が来てくれた。
美音が亡くなり10日ほどたった。
何故ここに美音がいないんだろう?亡くなってるからいるわけがないのだが俺はどこか少しずつ壊れていたようだ…
「母さんは?」
確かに俺が発した言葉だ。でも…違う気もする。
美空と祥が驚いたように俺を見た
何でそんな顔をされるのかわからない
だって美音がいないことがおかしい。もう夜なのに
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