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第125話
陽平side
「ねぇ。陽平くん。俺と恋人になってくれない?」
艶やかに美しい凛とした声で回りに部下がいるにも関わらず告げた彼。
彼は容姿端麗だし仕事も出来る。円山の偉いさんだからお金だって持ってる。そして性格だって悪くない。
彼の悪いところを見つける方が困難だ。きっと昔の俺なら間違いなく惚れてた。
でも…
「すいません。妻と息子がいるのでそういうのは…」
こうして断った。
その日は一旦引いてくれたけどその後何度か会い、会う度同じ会話を繰り返す。
お断りしたのはもう何度目なんだろう…会うのが気まずくても仕事上会わないわけにも行かない。誘いに乗らない訳にも行かない。気は乗らなかったがその日も一緒に飲んでいた
「すいません…何度もお伝えしていますが私には妻と子供がいるので…本当にすいません…」
「妻…ね…」
あまりにも苦しそうな顔をするから…申し訳なくて…彼とその数人の部下がすすめる酒を煽っていた
日頃の疲れからかこの日もついうとうとしてしまった…眠ってしまったのはほんの数分だったと思う。起きてみると水が差し出された
申し訳なくてそれを飲み干したら…体が熱くなって。動けなくなってしまった。彼の部下数名の男に支えられるようにして会食のあったホテルの一室に運ばれた。そして…服を全部脱がされた。抵抗なんてできなくて…
わけがわからなくて呆然としていると彼が…服を脱ぎ俺に股がった…みている光景が信じられなくて…そのあと…先程まで一緒に会食していた人と他に数人の男や女がやって来た…そして…俺は…複数人と強制的に交わらされた…自分の意思とは関係なく立ち上がるモノに媚薬を盛られたことに気付いた頃にはもう遅い…。
「本当に…やめて下さい…俺は…妻を…家族を裏切りたくありませんてやめて下さい!」
「美音さん?彼女なら7年前に亡くなってるでしょ」
「え…?」
「君は美空くんを美音さんと思い彼に何度か手を出そうとしてるでしょ」
「違う!美音は生きてる!今日だって美音が…」
そして見せられたパソコンの画面…それは紛れもない美音の葬式の映像…そして美音の死亡診断書。内容もこと細かく記されていた。他にも美音が死んだ証が延々と流れ続けた
俺の頭の中の奥底の鍵のかかった箱が開けられた瞬間だった…
美音が死んだ…そう…美音は死んだんだ…そうすると美空へしてきたことも思い出された…俺は…何を…
「理解したみたいだね。だったら断る理由もないでしょ?俺と結婚して?俺だったら美空くんも幸せにしてあげられるよ?」
「お断りします!」
「そう…じゃあ…俺を求める体にしてあげる」
気持ち悪いのに体は反応を続けていた…俺の意思とは関係なく…
あまりのことに涙も溢れない…後はされるまま…映像を撮られ続けた。
事が終わり皆バラバラに帰っていく。
最後に彼が
「君が結婚を断るというのならそれでもいい。でもこれからはこうして毎日体だけでも繋げようね。呼び出したらすぐに来ること。応じなければ…君は賢いから状況わかるよね?今日の映像は大量にこちら側にあるのだから…」
円山は大手企業。もしも今日の動画がさらされたならば…相当な損害がこちら側にくるのは明白だった。
放心状態で1人ベッドへ横たわる色んなものに汚れた俺の体…まだ立ち上がる自分のモノが恨めしい…薬を盛られたとはいえこれは紛れもない裏切り行為…気持ち悪い気持ち悪い…
ようやく薬が抜けてきてやっと家にたどり着いた…この時間だ…美空は眠ってるはず…気付かれたくない…この事には…
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