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第141話

陽平side 祥と抱き合って帰る。いつから俺は祥をあんなに欲してたんだろう? 自分でもわからないけど 帰るときは名残惜しくて帰りたくなかった。でも美空が心配してるといけないし… 「ただいま」 「お帰り。大丈夫?」 「あぁ」 「お邪魔してます」 「葉月くん。来ていたんだね。ごめんね。見苦しいとこ見せて」 あぁ…美空の顔…情事後だな…ってことは… 「いえ。あの。少しお話ししたいんですがお体大丈夫ですか?」 「大丈夫だよ」 リビングに向い合わせで座る 「話って?」 「俺は…美空くんとお付き合いさせていただいています」 やっぱり…俺は始めから反対する気なんてなかったけど葉月くんの覚悟が聞きたかった 「…そうか…覚悟は…同性と付き合う覚悟はある?世間的にはまだ認められない人も多い。それでも…」 「はい」 迷いのない真っ直ぐな眼差し…きっと葉月くんは大丈夫だ… 「そうか…美空は…俺の自慢の息子だ。よろしく頼むよ」 君になら大切な息子を任せられる…でも気がかりもあった… 「はい。ありがとうございます」 「美空」 「はい」 「…仲良くな」 「はい」 「…よかったな。想い通じたんだな」 「うん」 「葉月くんは俺も信頼してる。いつも美空からも睦月君からも話を聞いていたから。君みたいな子が美空の恋人なんて鼻が高いよ。 それと…あのときは助けてくれてありがとう。君も動いてくれたって聞いた。驚いた…君が副社長の息子さんってこと」 ちゃんとお礼が言えてなかったから伝えた…俺の杞憂してるところはここ… 「あまり公にしていないから。できれば内密にお願いしたいのですが」 「わかっているよ」 「ありがとうございます」 「君のご両親は…このこと知ってる?」 「はい。美空くんと付き合い始めた日に報告しました。もちろん…父にも」 「大丈夫かい?君のところは」 「はい。俺はもう才川ではないですし芙蓉には実子もいますので問題ないです」 「名前のことじゃない」 「正直にいうと養父母は喜んでくれましたが父は複雑そうでした。理由としては俺が何か責任を感じて美空くんと付き合ってるんじゃないかって。あなたにあんなことをした社員たちの罪を美空くんと付き合うことで償おうとしているんじゃないかって。本当は美空くんのこと見ていないんじゃないかって」 そう…俺もそれを感じたんだ… 「それで?」 「そういうことじゃないことを伝え続けてちゃんと認めてくれました。俺の気持ちを」 「そうか」 「おそらく養父母や父は良くても俺の立場的にいつかは何かしら出てくるかもしれない。でも俺は美空くんと添い遂げるつもりでいますから。何があっても美空くんのこと守ります」 添い遂げるつもりで…ね…美空を見ると不安そうだ。それはそうだろう…葉月くんはノーマルだ… そのうち他の女性に目移りするだろう。そう思ってることが手に取るようにわかる… それを察したのか葉月くんがきゅっと美空の手を握った ふふっ…大丈夫そうだな… 「美空。俺はそのつもりだから。お前と共に歩きたいから」 「先輩…」 「うん。葉月くんの決意はわかった。でも守るだけじゃだめだよ。美空も守られるだけじゃだめ。わかるよな?」 「わかる…」 「ならいい」

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