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第145話
「それを期に…俺と一緒に住まない?美空がいいって言ってくれるのなら…俺はお前といつも一緒にいたいんだ…だめ?祥?」
「…嬉しい…俺も…そうなれたら嬉しいって思ってた…陽平といつも一緒にいたい…」
「それでさ…お前のタイミングで良いんだけど…」
陽平が急にベッドから降り自分の荷物のところへ向かう
それをゆっくりと目で追う
そして何かを探し当て戻ってきた
「…なんか…美空に話す前になっちゃうからお前は嫌かもけど…」
涙が溢れて視界が滲む…
「これ受け取って。俺と結婚してください」
小さな白い箱に入った石が埋め込まれたリング…
「…」
「祥…?だめ?やっぱり…嫌?」
「…」
言葉にならなくて首を左右に振る
「じゃあ…」
そう言うとそっとリングを持ち上げる
「もう一度言うよ…俺と結婚してください…」
今度は俺の左手を自分の手に乗せ聞いてくる…
頷くとそっとリングをはめてくれた
「…祥…一生離さないから…」
暖かな優しいキスが左の薬指にはめられたリングに落とされ抱き締められた。そして額にも同じ優しいキスが振る…
溢れる涙を指で掬ってくれて顎を上げられる
唇にも暖かな物が重なる…
「祥…愛してる…覚悟しておけよ…」
「…はい…」
やっとの思いで返事をすると嬉しそうに優しい笑顔を見せてくれた…
陽平の笑顔は凶器だ…いつも見られる訳じゃないので俺は完全にノックダウンだ…
本当に…綺麗…
美音…ごめんね…お前の大切な人…俺が…
でも…愛しているんだ…ごめんね…
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