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第146話

陽平side 祥と付き合いはじめて直ぐから俺は祥が良いのなら一生添い遂げたいって思っていた 祥はきっと美音のことを思いおそらく遠慮してしまう… でも…俺には祥じゃないと意味がないんだって思って… 久しぶりに美音のところに訪れていた 美音の死を認めるのが嫌で来ていなかった美音の墓 綺麗にされていて新しい花も備えられているからきっと美空が手入れしてくれていたんだ… 回りを掃除して美音に向かい合う 「美音…ごめんな…ずっと来れなくて…怖かったんだ…お前を失ったことを認めることが…そのせいで…俺は美空を傷付けた…本当に…父親失格だな…」 返ってくる訳もないけれど目線をあげ言葉を切る 「なぁ…こんな勝手な俺だけど…また一緒に歩いていきたい人が見付かったんだ…美音…いいかな?その人と生きても…祥と一緒に歩いても…」 その時強い風が吹き思わず目を逸らした先にある紫色の絨毯…カキツバタの花々たちだ… 美音が好きだった花の咲く場所を探しようやく見つけたこの場所 『私ね、この花大好きなの。色とか形とかもそうなんだけどね…この花言葉はね…』 涙が溢れた…美音からのメッセージってことでいい?都合が良いかもしれないけれど… 『幸運は必ず来る…幸せはあなたのもの…って意味があるんだって。私は大切な人にこの花を送りたいの…ふふっ…ねぇ?どう思う?陽くん。祥くん…』 「美音…」 たまらなくて踞る…美音…美音…愛してるよ… でも…祥を諦めたくないから…祥と一緒にいたいから… 『ばかねぇ。貴方にとって祥くんが特別なことくらいわかってるよ』 耳を擽る風がそう囁いた気がした…何度も俺に言ってくれていた言葉… 「美音…今度は祥と一緒に…会いに来るから」 墓石を撫で立ち去る 美音…愛してる…

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