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第148話

深呼吸をしてインターフォンを押す 「はぁーい。開けます」 すぐに扉が開く。 「こんばんは。久しぶりだね。相変わらず可愛いねぇ」 「祥一さんも相変わらず若いですね」 「ありがとう」 「父はまだですけどどうぞ」 「お邪魔します」 始めにすぐ仏壇へ向かう。罪悪感でずっとこれなかった… 「美音…暫く会いに来れなくてごめんね」 仏壇に向かい語りかける。 『ねぇ…美音…ごめんね…俺陽平が好きで…陽平の隣に立ってもいいかな?美音…』 ふと視線を感じ振り替えるとみーくんに見詰められてた 「ん?どしたの?みーくん」 何だろう?不思議に思い首を傾げると少し頬を染めたみーくん。相変わらず可愛くて直ぐにでも抱き締めたいけどぐっとこらえて笑う 「何でもないです」 俯きながら答えるみーくん。もしかすると何か察してる? 「そう」 あまりの可愛さにくしゃくしゃと髪を撫でてしまったけど嫌がってるわけではなさそうで少しホッとする 「ご飯食べました?」 「まだだよ」 緊張し過ぎて食べられなかったんだ… 「作ったんで食べます?父は今日は遅いみたいだし。さっき連絡来てて」 「そっかぁ。うん。じゃあ頂こうかな」 二人で食べるのも久しぶりだ。美音が亡くなって陽平がおかしくなったとき心配で毎日来てたとき以来だから 「また料理の腕あげたんじゃない?美味しい」 「良かった」 談笑しながら食事を終えた。みーくんのご飯は心があったかくなる。 美音の優しい味がするんだ。美音もお料理が得意だったから美音に習ったみーくんのご飯はそのまま美音の味…懐かしくて…涙が出そう…

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