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第159話

家に帰りもうすぐ始まる試験に向けて勉強をする。 美空は本当はちゃんとすれば出来るのだが勉強は好きではないためいつも授業を聞いていない。 少し教えればすぐに理解しあっという間に解けるようになる 「ねぇ。美空。お前さ要領いいんだからちゃんと授業聞くだけで成績もあがるぞ」 「えぇ…だって先生あまり教え方うまくないじゃん。睦月に聞いた方が理解できるし」 「勿体ねぇなぁ…」 休憩を挟みながらの勉強。帰宅して約二時間ほどたっていた。 「睦月…あのさ」 「うん」 「抱いて…」 来たか…本当にいいの?傷付かない?辛くない? 「ねぇ。美空。本当にいいの?」 葉月先輩はどうするの?あれだけ好きな人なのに… 「親父の…痕消したいから…もう…葉月先輩には…」 諦める?諦められるの?その想い…どう見ても…諦めきれない表情してるのに…でも…それなら俺の付け入る隙ある? 「そ。わかった」 少しでもその望みがあるのなら… 出来る限り優しく…大切に美空を抱きたい… 「美空…大丈夫?辛くない?」 「ん…ありがとう…」 事を終え着替えようとする 「睦月…もっと…」 その顔…ダメ…我慢できなくなる…でも無理なんてさせたくないから…精一杯断る 「だぁめ。また今度ね?」 「わかった…睦月…好きっ…」 その好きは…葉月先輩へ向けるそれとは違うことはわかっているのに胸が高鳴る… 「ねぇ。美空。本当に葉月先輩はいいの?」 自分で言ってて辛い…だって美空の顔は葉月先輩への未練が溢れてるから… 「ん…どうせ叶わぬ恋だったんだから…先輩にはね…好きな人がいるんだって…」 それはほんと?相手はお前じゃないのか? だったら忘れさせてやりたい… 「美空。俺と付き合う?そしたら俺はずっとお前のこと甘やかしてやれるよ?」 「え…でも…」 「俺じゃダメ?」 「俺で…いいの?」 「美空がいいな。俺はお前のことずっと好きだし。葉月先輩の代わりでもいいよ。お前が落ち着くまででも。ね?」 「うんわかった…よろしくお願いします」 弱っている美空に漬け込むのはダメだとわかってたけどそれでも今は… これからの関係は変わっていく…そのまま俺のこと好きになってくれればいいのに… でもその想いはたった数時間で打ち砕かれる… 『ごめん。さっきのなかったことにして』 何で?どうして?やっぱり俺じゃダメ?聞きたいことはたくさんあった。何度も文章を考えては消し考えては消し…でも…美空はそんな俺は望んでいない… 『わかった。また明日学校でな』 それだけ入れて送信した

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