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第163話
「ひーなちゃん!!朝から会えるなんてもはや、運命だね…」
「弥生ちゃん…」
雛の笑顔がひきつる。おそらく一緒に行こうなんて誘われたのを無視して一人で来てしまったんだろう。
青ざめながらもどこか嬉しそうな雛を見つめた
「…いってらっしゃい」
「イーヤーだー!!むーくん助けてー…」
ふとこちらを見た弥生先輩の口が無理しないでねと、動いた。
雛がいると雛が余計なことを言いそうだとでも思ったのか引き摺るように雛を連れていった
「弥生先輩…すげーな…」
「ひなもそろそろ折れたらいいのに…あいつ好きだろ?弥生先輩のこと」
「前雛菊に聞いたんだけどさ、なんか弥生先輩ってあんなだから不安なんだって…釣った魚には餌をやらないんじゃないかって。弥生先輩ってかなりモテるでしょ?」
「確かにねぇ…」
ギャーギャー言いながら去っていく二人のあとを追い俺たちも校門をくぐった
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