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第164話

「むーつーきー!!ありがとう!!お前のお陰で何とかなったよ!」 テストが終わりいつも以上の成績を残した美空はニコニコだ。 堪らなく可愛い… 「良かったな。頑張ってたもんな」 抱き締められないけれど触れたくて美空の頭を撫でた 柔らかい髪…小さな頭…わしゃわしゃと撫でていると美空が俺を見上げた 「お礼に今度奢る!!」 それから数日。 「睦月睦月」 「あそこ。いこ。リバーサイドカフェ」 美空が指差す店は最近評判のカフェ。昼間は女性客限定なお店。 「え?あそこ男入れないじゃん!」 そう。男は入れないのだ。女連れなら入れるらしいが… 「実は俺この間女装して行ったんだ…気付かれなかったし俺と一緒なら睦月も入れる!」 女装…じょ…女装!?美空が?え? 絶対可愛い… 「お前の女装…かなり似合いそうだな。」 「レアな格好見せてやるよ。いつ暇?」 そうしてその日が訪れた。 「実はあそこ葉月先輩バイトしてるんだ」 なるほど…会えるなら会いたいってことか…本当に…きっついな… 「あぁ…そゆこと…」 そういうと美空が焦ったように首を振る 「違う違う!だからではない!あそこのケーキ本当に宝石みたいに綺麗でかなり美味しいからお前にも食べて欲しい。葉月先輩はキッチンだから店には出ないんだ。この間も俺会わなかったし。たまたまナンパされたの助けてくれたのが先輩だったんだ。でたまたま知ったの。そこがバイト先って。だから先輩には会わない」 必死なところも可愛い… 「まぁ何でも良いけど。あそこの食べられるなら」 俺も実は大のスイーツ好きでずっとこの店にはきたいと思っていた。でも俺は女が苦手で家族以外の人と関わったことはほぼない。だから女友達等いないし家族は仕事柄一緒に出掛けるなんて出来ないし…彼女なんて到底できるはずもない。俺は男しか愛せない…まぁとはいえまだ美空にしか恋してないけど… だからここに来ることを諦めていた。 待ち合わせ場所でスマホを弄りながら待ってると… 「お待たせ」 これまであった女よりずっと可愛い子が声を掛けてきた。その声はよく知ってる愛しい人の声… 「っ…美空…」 可愛すぎて見惚れてしまい固まる。 「ん?やっぱ変?」 そんな俺に首をかしげ不安そうに問う美空。 本当に…勘弁して欲しい 「いや…そこらの女より可愛いかも…」 ホントに…中身が美空だからそう感じる?そんなことない…本当に可愛いんだから 「それは言い過ぎ」 「化粧ってすげーな」 照れたのを誤魔化すように声をかけた 「だな」 「やばい…惚れそう…」 もう惚れてるけどね… 「中身は俺だし」 「まぁそうだけどさ」 だからこそだよ 「俺さそこでみくって名乗ってるんだ。一度しか行ってないし覚えられてるかわかんないけど念のためそれで呼んで?葉月先輩に万が一ばれるとまずいし」 「わかった」 そして店へ向かった

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