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無情にも朝はやって来てしまう
身体中が痛くて、でも綺麗にされていた。
眠ってしまった俺を誰かが綺麗にしてくれたんだ…
「今日は熱っぽいから休む」
なかなか起きてこない俺の部屋へ母がやって来たのでそう告げる
母は俺の顔色の悪さに驚きすぐ連絡をしてくれ体温計と薬を持って来てくれた
「よっちゃんお母さんもう行かなくちゃ…ごめんね。お粥作っておいたから食べられそうなら食べてね」
「ありがと。いってらっしゃい」
「あとで三ヶ島先生来るからちゃんと見てもらうのよ」
「わかった」
三ヶ島先生は雛菊家の専属医師。俺は昔体が弱くよく体調を崩していたから父が古い友人である人をつけてくれた。弥生ちゃんの家ほどではないけれどそれなりの家なので色んな専門の人が雇われている
ただ料理は母がする。母は高級な食事が口に合わないとかで食料の買い物も自分でいく。
特売が大好きな人。だから結構大きな家にもかかわらずみんな気さくに話しかけてくれる
母は専業主婦なのだが今日は昔の友人に会うとかで出かける予定にそもそもなっていてそれを断ってここにいると言っていたけれどとても楽しみにしていたのを知っていたのでいってもらった
もうすぐ弥生ちゃんがやって来る時間…今日は来るのだろうか?
部屋の扉が開く。いつもの時間だ…
でもそこにいたのは文くんだった
「おはよ。よも。体平気?弥生が心配してた…ごめんね…昨日弥生が…」
「大丈夫だよ。ありがと。でも文くん学校は?」
「今日は創立記念日で休みなんだ。だから俺がそばにいる」
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