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「文くん…俺わかんない…」 「うん…」 「俺ね…弥生ちゃんのこと好きだよ。でもね…弥生ちゃんには彼女さんがいて…それなのに…」 「ねぇ。よも」 「…」 「弥生じゃなきゃダメなの?弥生に聞いたけど…無理矢理に…酷いことされたのに弥生がいいの?」 「俺は…やっぱり弥生ちゃんのこと嫌いにはなれない。弥生ちゃんが好き…でもね…これ伝えちゃうと…もし仮に付き合うってなっちゃうと…もしも…別れが来たら…これまでの幼馴染みの関係もおかしくなっちゃう…」 「はぁ…よもは弥生じゃなきゃダメなんだね…弥生のこと…大好きなんだね…ねぇ。よも。弥生がどうして彼女作っちゃうか知ってる?」 「わかんない…」 「よものこと好きすぎて抱き潰しちゃいそうでってそんなこと考えてんの。あいつの彼女はね背格好がよもにそっくりな人ばかりだよ」 「でも俺には胸もないし…弥生ちゃんと同じのついてるし…体も女の子みたいに柔らかくないよ。どんなに背格好が似てても俺とそんな関係になったら…やっぱり違うってなっちゃうかもしれない…」 「それはないかな。よも。弥生のこと信じてやってくんない?あんなことされて…言える立場じゃねぇけど…」 「でも…もう…弥生ちゃんは…ここには…俺のとこには来てくれないかもしれない…」 「今日は頭冷やすって言ってここにはこない。でも明日は休みだしここにこさせるよ。ちゃんと話しな。ね?」 「ありがとう。文くん…」 「はぁ…やっぱりみんな弥生選んじゃうんだなぁ」 「え?」 「弥生には敵わない…俺もねお前の事好きなんだ…」 「え!?」 「ふふっ…気付いてなかったでしょ?俺口下手で目付き悪いし体もでかいから人に敬遠される。そんな俺をちゃんと見てくれたのは弥生とよもだけだから…ずっと…ずっと…好きだった…でも、お前には笑っていて欲しい。もちろん弥生にもね。俺にとって二人はとても大切な人たちだから。今日はゆっくり休んで」 「ありがとう。文くん…ごめんね」 文くんは何とも言えない顔で笑ってた。 「それとさ。昨日弥生が彼女と会ってた理由なんだけど…もうお前だけにするって別れを告げに言ったんだ。ちゃんと伝えてなくてごめん」 「そうだったんだ…それなのに俺酷いこと言っちゃったから怒らせちゃったんだね」 「いや…あいつが怒った理由は俺だよ、俺とお前が連絡とってることが嫌だったんだって。お前あいつに連絡先教えてないだろ」 「教えてない…」 「だからだよ」

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