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第7話
「みくちゃんは好きな人いるの?」
「はい…」目の前にいますよ…
「そっかぁ。みくちゃんはその人に思いを伝えないの?」
「…叶わないのがわかっていますから…」
「そう?みくちゃん可愛いから大丈夫なんじゃない?」
「ふふっ…ないですよ。同じですね」
だってその人は好きな人がいるのだから…
「そうだねぇ。何か変わることって怖いよね…」
「はい…私も今のまま仲良くしていければいいかな…」
あなたをずっと見詰めていたいです
「ねぇ。みくちゃん。」
「はい」
「またケーキ食べに来てね?」
「はい!!勿論です!!」
「ふふっ…いい返事。可愛いね」
「かっ…可愛いって…」
大きな手で頭を撫でられる。気持ちいいな…
「あっ!ごめん…つい…俺…年の離れた妹がいて…」
「いいですよ…あの…気持ち良かったです…お…私…そんな風にされたことないから」
「そうなの?」
「はい。一人っ子ですし…両親は…してくれたことないですし…」
「そうなんだ。ならまた撫でてもいい?」
「はい!」
くすくす笑う先輩の笑顔はいつも見ているものと違う。とても子供っぽいような笑顔だった
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