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第29話

「えっ!!みくちゃんもう来られないの?」 「はい。すいません。色々忙しくなっちゃって…こんなによくしてもらったのに…本当にすいません」 「ん~…わかった…仕方ないね…たまには食べに来てよ」 「ははっ…」 曖昧に笑い店を後にする。今日は父が出張で家に戻らないから家に戻らなくても問題はない 念のため父に泊まりに行くと連絡をするとすぐに電話がなった 「美空!誰のところに泊まるの?」 「最近仲良くなった人だよ」 「大丈夫なのか?変なやつじゃない?」 「大丈夫だよ。心配しないで。すごくいい人だから」 「わかった」 「今日は久しぶりにあいつらから解放されるから体休まるんじゃない?無理はだめだよ」 「わかった…明後日帰るから」 「うん。父さんの好きなもの作って待ってるね。じゃあもう行くね」 「気を付けてな」 「うん」 電話を切りさっきの奴に連絡した 「もしもし。用が終わりました。着替えてきます」 「いいよ。そのままで。明日は創立記念日で休みでしょ?」 そんなことまで知ってるんだ… 「えぇ。休みです。」 「俺も休みだからゆっくり過ごそう。じゃあ迎えに行くから」 電話を切り数分。俺の前に一台の車が停まる。 「お待たせ。乗って」 後部座席に乗ろうとすると制止され助手席に乗せられた。 こいつの家につくまでずっと手を握られていた。 こいつの家はここら辺でも高級なマンション。セキュリティもしっかりしていて俺みたいな中流家庭の人では住めないだろう 「綺麗にしてるんですね」 「以外?」 「はい」 「だろうね」 「あのさ。俺は元々ゲイだからいいけど、あんたは違うでしょ?やり方わかる?俺は優しいのが好きなんだけどな…」 「優しいのねぇ」 「意見する立場でもないけど…」 「いいよ。やり方教えてよ。とりあえず飯作るわ。適当に寛いでて」 外で会ったときと全然印象が違う。外では気持ち悪かった表情も今は感じられずただ優しい。しかもサングラスで隠れていた顔はかなりの美形だった。とても不思議な人。 「あ。そうだ。美空くん」 「はい」 「俺のこと名前で呼んで?」 「…はい。璃人さん」 「っ…可愛い…ありがと。美空くん」 本当に印象が違う…こんなに柔らかく笑う人なんて思わなかった しばらくすると出来上がったご飯はとても美味しそうで 「すごい…レストランみたい」 「何それ」 「だってかなり美味しそうだし綺麗」 「そう?まぁ味気に入ってもらえるといいけれど」 「…」 「ははっ。大丈夫。変なもの入ってないよ。俺も同じもの食べるし。なんなら交換しようか?」 「いえ。いいです。いただきます」 見た目に違わずかなりうまい。思わず笑っていたようだ 「笑顔可愛いね」 「え?」 「俺は怖がらせてばっかりだったからそんな笑顔するなんて知らなかった。ごめんね。ずっと驚かせて」 「いえ」 調子が狂う…なんだろう…この人…

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