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第31話

でも璃人さんは俺を抱かなかった。 抱き締めて眠った。ただそれだけ 俺は拍子抜けをしてでも規則正しい璃人さんの鼓動。気づけば自分も眠っていた 「おはよ」 次に起きたときはもう翌朝。服も乱れてなければ違和感も何もない 「ご飯出来てるからおいで」 朝食も申し分ない。 「おいしい…」 「良かった」 「あの…」 「ん?」 「俺を抱くために呼んだんじゃないんですか?」 「そうだね。そのつもりだった。でもさ…俺も不思議なんだけど…なんか隣にいるってだけで満足しちゃった」 「やっぱ男は嫌なんじゃないですか?」 「あはっ。そうなのかなぁ?」 「きっとそうですよ」

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