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第32話

その日も一日中璃人さんと過ごした 璃人さんは在宅での仕事が主だそうでわざわざ会社に行くのは月に一度くらいだそうだ 「仕事大丈夫?」 「うん。やらないとならないことはやってるから後はちょっとした処理だけ。もう終わるから待ってて。そのあと出掛けよう」 「はい…あ…でも俺…服…」 「あぁ。俺の貸すよ」 「でもサイズ…」 「じゃあ…昨日の着る?」 「化粧道具持ってきてない…」 「大丈夫大丈夫!美空くんはかわいいから」 「…璃人さんの貸してください…」 「いいよ」 想像していた通りブカブカ…でもスッピンであの格好をするよりはずっといい 「可愛い…」 「可愛いとかやめてください…」 「まぁまぁ。じゃいこっか」 「あ…靴」 「あぁ…さすがに…ヒールはきついよねぇ…なら始めは靴買いに行こうか。足のサイズ教えて」 車まで横抱きにして運ばれる。裸足のまま乗せられた助手席 璃人さんに行き先は全て任せて目を伏せた しばらくすると目的の場所につく 「少し待っててね」 「はい」 おとなしく待ってるとすぐ璃人さんが戻ってきてくれた 「はい。これ。履いてみて」 渡された靴はとても履き心地もよく安いものではないことが直ぐわかった 「お金!」 「いいよ。俺社会人だよ?高校生に出させるわけないでしょ。もらって」 「でも…」 「その分体で払って」 「…あ…わかりました」 「ふふっ…いい子」 璃人さんはよく俺の頭を撫でる。下に兄弟でもいるのかな? 「璃人さん何人兄弟?」 「え?俺?姉と兄がいるんだ。3人兄弟の末っ子」 「そうなんですか。」 「うん。何で?」 「よく頭撫でるから下に弟さんか妹さんがいるのかと思って」 「あぁ。俺小さい子好きなんだよね。だからかな?」 「小さい…?」 「拗ねないでよ。美空くん…可愛い…」 「だって…」 「あははっ」 この人は本当にあの脅してきた人?別人だ…

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