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第13話 イケメンだからって何でも許され…るよねー

「雨宮?どうしたんだ?」 「俺、やだって言ったじゃないですか!!い、いくら南條先生がイケメンだからって、許されていいことと許されていいことと許されていいことしかありませんけどぉ!」 「(全部許されている?)」 俺は本気で泣き始めて、その理由も自分ではよく分からなくなっていた。 自分が支離滅裂なことを口走っているのは分かっているけど、止まらない。 南條先生にさっきから好き放題されていることに腹が立ったんだろうか。 イケメンだからって、なにしても許されると思……うけど!! 「最初は受けをイジメたりヒドイこと言ったりするドSの攻めだって最後には今までのことが何もなかったかのように受け入れられて許される話がありますけどそれは受けの心が海のように広いからであってというか大抵ドMだからであって最終的には俺達相性ばっちりだねーみたいなおいお前最初あんなひどいことされたのに何で許してんだよイケメンだからなんでもかんでも許されるのかよって思うんですけど許されるんですよね何故ならイケメンは正義だから悪は滅びますけどイケメンは栄えろくださいでも南條先生と俺じゃ違うんですよ俺は受けじゃないから根本的に許す許さないじゃなくてとにかくもうこれ以上俺に迫って来ないでくださいイケメンの無駄遣いですからぁぁぁ!!」 「???」 ああ、なんか自分でも何言ってんだがよくわかんなくなってきた。とにかく南條先生、俺にアップで迫ってこないでください!! 世間じゃ平凡受けが流行りだとしても、俺と南條先生は違うから!そういうのじゃないから!たとえ南條先生が最強の攻め様だとしても、俺が受けじゃないから!! 俺は……俺は素人だけど一介のBL作家だ!つまり萌えを供給するほうなんだぁぁ!! 「……なんだかよく分からないけど、泣かせる気はなかったんだ……すまん、雨宮」 「ひっく、ひっく、ふぇぇ……?」 俺の謎なテンションにだいぶ引いている南條先生は、よしよしと頭を撫でてくれた。 イケメンのよしよし……俺の首から上、破裂しちゃわない……? 「とにかく雨宮がイケメンを好きなのは分かった。つまり――俺が好きってことだよな?」 違う!! いや南條先生がイケメンなのは間違ってないけど!!(そしてサラッと自分のことイケメンだって肯定してたな) 「先生は俺の憧れの攻め様であって、恋愛対象じゃないんです。いわゆる偶像崇拝的な」 「(セメサマ??)え、じゃあ俺って雨宮にとってはアイドルみたいなものなのか?」 「そうです、俺と南條先生が付き合うなんて人気絶頂のアイドルがブサイクな一般庶民と駆け落ちするようなものです!!」 そして俺にはそんな状況に耐えられるメンタルはない!! 「……つまり、雨宮は俺と駆け落ちしたいってこと?熱烈だな……」 ええええええ……!! 南條先生、ポジティブすぎるだろ!!てゆーか例えだっつってんだろがぁぁ!!!! 「――わかった。じゃあ俺はなんとかして雨宮と一緒に居られる方法を考えるから」 「いやあの、そーじゃなくてですね」 「あっ!雨宮、昼飯早く食べないと昼休みが終わるぞ!俺はコーヒーを飲まないと」 「あっ、ハイ……」 言われた通りもそもそと弁当を食べている俺をニコニコ顔で見つめてくる南條先生。 俺は、ここからどうやってこの盛大な誤解を解けばいいんだろうか……。

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