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第43話 『このまま、食べさせて』

南條先生の小綺麗なマンションに来るのは、告白した日以来だ。先生の部屋は1003号室だってちゃんと覚えてる。 あの日のように、車を降りたときから俺は先生に手を繋がれていて、エレベーターの中ではお互い黙りこくっていた。 そして、玄関に入った途端…… 「ンンッ」 先生にきつく抱きしめられて、激しいキスをされた。先生は俺よりずっとオトナなのに、『我慢できない』とでもいうような……まるで獣みたいな情熱的なキスだった。 俺のキスはヘタクソだけど、先生の背中にしっかりと腕を回して必死にその舌を追いかけて同じように絡ませた。 「はむ、むちゅ、チュプッ……」 もう俺の頭の中は、エロいことでいっぱいだ。 処女のクセに。処女だから、かな……。 先生が俺に手を出してこなかったのは、きっとキスをしたら歯止めがきかなくなるからだ。 俺だってそうだもん。 しょーがないじゃん、男なんだから。 南條先生のことを好きになって、先生のことを好きだって自覚して、そしたら、触れられたくてたまらなくなったんだ。 「はぁっ、あっ、せんせ……」 「卯月……今から抱きたい。いいか?」 南條先生の顔を見るたびに鼻血出してた癖に、今日の俺はなんだかちょっと余裕だ。いつもに比べたら、だけど。 両想いだから生まれる余裕?まあ、カラダのほうは余裕なんて全然ないんだけど。 「……でも、シャワーまだ」 「そんなもん、いらねぇよ。そのままの卯月を食いたい」 先生、俺食べ物じゃないよ?あぁでも、余裕のない言葉遣いが嬉しい。少し乱暴な、男らしい話し方。今の先生は『先生』じゃない。 「な?このまま、食べさせてくれ」 そんなイケフェイスに迫られて、俺が断れるわけないでしょ!先生、絶対分かってやってる。 今年の夏コミが終わったら、次の攻め様はまた南條先生をモデルにしよう。 やっぱり関口くんなんかじゃ萌えが足りないよ。下描き終わらせといてよかった。 あー南條先生、かっこよすぎ……。 「はぁ、はぁ、卯月……」 「んっ、先生ぇ……」 南條先生の息が荒い。ひと休みもしないまま薄暗い寝室に連れてこられて、電気も付けずにベッドの上に優しく押し倒された。 カーテンの隙間からは、夕日が入り込んできている。そういえば家に遅くなるって連絡してないな。まあいいや、女の子じゃないし。 遅くなったらお母さんはきっとりっちゃんに電話をするだろう。りっちゃんならきっとうまく言ってくれるはずだ。 南條先生は俺の制服をゆっくりと脱がしていく。人にボタンを外されるのは初めてで、その指の動きを見ているだけでドキドキが強くなった。 南條先生の手は大きくて男らしいけど、指は細くてすごく綺麗だ。俺の指は、たくさんペン胝ができてるけど……。 「卯月、バンザイして」 「ハイ……」 とうとうタンクトップも脱がされて、俺は上半身裸になった。先生の目が蕾に釘付けになってて少し恥ずかしい。 「その顔、可愛すぎ」 「え?」 「乳首もピンク色でうまそう」 「ひゃっ!」 南條先生は俺の両乳首をキュッと摘まんだと思ったら、俺に見えるように舌を伸ばして、舌先でレロレロと粒をいやらしく舐めはじめた。 「あ、んぅっ……」 ああ、やばい。先生の顔も、舌の動きもエロすぎるよお……。 俺は身体を捻らせて反応した。 俺は幼い頃から、母や姉たちにナイショですごい量のエロ漫画を読んだり描いたりしてきた。(バレてたけど)だから知識だけはものすごいんだ。経験はゼロだけど。 実践といえば、いつぞや化学準備室で先生にイカされたことだけだ。あのときもやばかった。妄想と実際にされるのとでは、天と地ほどの違いがある。 恥ずかしさも、気持ちよさも。 それが、憧れている人が相手ならなおさらだ。 「あっ、先生ぇ……っきもちいい」 「乳首感じる?」 「かんじるっ」 「じゃあ、もっと感じさせてやるよ」 まだ乳首を舐められてるだけ。こんな序盤で、俺はもうヤバイくらいコーフンしてる。 ベッドの上で後ろ手で自分の身体を支えて、先生が舐めやすいように胸をせりだして。 ズボンももうキツイ。絶対先走りで、パンツの中までグチョグチョだろうなあ。 「ひゃあぁんっ!」 いきなり思いきり乳首を吸われたせいで、思わず甲高い声が出て、背中が後ろにピンッと反り返った。 「卯月も、俺に抱かれたいか?」 「はぁっ、だ、抱かれたい……です」 本当は、少しこわいけど……知識としては、知りすぎているから期待せずにはいられない。 南條先生と、セックスしたい。 「ふふ、かわいい」 南條先生が少し意地悪な顔でニヤリと笑った。なにその顔、今のが先生の素なの? 腹黒なイケメン攻めとか、超絶萌えなんですけどおお!!

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