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第45話 いまさら芽生える罪悪感

「はぁっ、はぁっ、あん、あ……っ」 南條先生は相変わらず楽しそうに俺の全身を舐め回している。一度吐精して少々グッタリ気味の俺、若いのに体力がない。 オタクなのでしょうがないのです。まあイベント慣れしてて体力のあるオタクもいるけどさ。なにぶん実践には慣れてない身でして……。 でも南條先生の愛撫が気持ちいいから、声だけは途切れることなく溢し続けていた。 そして。 「あっ……!?」 南條先生の指が、とうとう俺の後ろ――いわゆる秘密の花園に触れた!やばい!ついに……ついに処女喪失(このとき)が!? 「卯月のココに入りたい。……いいか?」 「は、はいっ」 か、か、カモーンです!!どんとこいやあ!! でもどうかどうか、あんまり痛くありませんように!! 「……後悔しないか?」 「カモ……えっ?」 至極楽しそうだった先程とは打って変わって元気のない南條先生の声に、思わず顔を上げた。 相変わらず先生の顔は見えないけども。 「南條先生……?」 「ごめん、ちょっと電気点けようか」 「え!?」 南條先生はそう言って、ベッドサイドテーブルに置いてある無機質なライトスタンドを点けた。 いきなり肌を晒したイケメンが目の前に現れて、俺は思わず鼻をむぎゅっと抑え込む。その仕草に、南條先生が少し笑った。 南條先生は俺を起こしてくれて、軽く抱っこするみたいに抱きしめてくれた。俺が緊張するの分かって、顔見せないでいてくれるのかな? でも裸で抱っこされてるとか、これはこれでやばいいい!!! いや、それよりも……南條先生、なんでやめたんだろう。 せっかく俺、処女喪失する覚悟を決めたのに。 やっぱり俺みたいなガキとなんて、ヤル気がなくなったのかな……? 「ごめんな、ここまで調子に乗って卯月の身体好き放題触って、今更何言ってんだって感じなんだけど、その……卯月があまりにも純粋で俺のことを信じすぎてるっつーか、俺が悪い大人すぎるっつーか……その」 んんん? 「普段はあんまり自覚してねぇんだけど、俺も一応は教師のはしくれだからさ。もし卯月の俺に対する気持ちが若気の至りだったとして、今から女が好きになったりとかしたら……」 え、俺が女の子を好きになったら?? そんなことがあるのかなあ。 「だいたい俺は大人として、最初からそういう方向に導いてやんなきゃいけねぇんだけど……いや、でも女になんかぜってー渡したくねぇけど!男に抱かれたらもう女なんて抱けない身体になるっていうしな?抱く必要なんかまったくねぇけど!!……あーごめん、俺さっきからわけわかんねぇことばっか言ってるな」 南條先生は自分の頭を両手でぐしゃぐしゃに引っ掻いた。……もしかして、自分の中の天使と悪魔が戦ってるのかな? 俺、先生の腹の中は天使の住む場所もないくらい真っ黒だと思ってたよ! ……俺はまだ高校生だから、いま南條先生が直面している問題の深刻さは10分の1も理解していないかもしれない。 自分自身のことなのに、将来どうなってるのかなんて全然想像つかないもん。 実感が湧かないっていうか……。 でも、南條先生はオトナでその上教師だから、ちゃんと俺の将来のことを考えてくれてる。 自分が俺の将来を潰してしまわないかって、悩んでる……(でもだいぶ遅いと思います) 俺を腐男子にしたのは家族なので、こうなった諸悪の根元は先生じゃないんだけどね。 でもだからって自分の将来が真っ暗だとは思わないけど! BL好きが高じて、ホントに同性愛者になっちゃったのだとしても。 男の人を好きになったって、別にいいじゃん? 「あぁ~~~っ、でも卯月とヤリてぇな、ちくしょう!」 「南條先生、欲望がダダ漏れてますよ……」 ねぇ先生、俺のことでそんなに苦しまないでよ。下半身は正直だし。 それに…… 「南條先生」 「あ、なんだ?」 俺、ちっとも純粋なんかじゃないから。 俺は怪訝な顔をしている南條先生にニコッと笑いかけると、先生のギンギンに勃ってるちんこをギュッと掴んだ。そして必殺上目使い。 「俺、先生のコレ早く受け入れたいです。早く先生と繋がって、ぐちゃぐちゃに犯されたい。俺、毎日そーゆー妄想ばっかりしてるんですよ?」 「え”……」 そしてもう片方の手で南條先生の右手を掴み、まだ濡らしてもいない俺の秘密の花園――いわゆる後孔に、先生のひとさしゆびをつぷりと押し当てた。 ふっふっふ、生粋のエリート腐男子をなめるなよ? こちとら365日、男同士のエロいことしか考えてないんだからなーーー!! ……それはそれで、少し問題か? 「そういえば卯月、俺でオナニーしてるって言ってたっけ」 「へ?……わっ!」 再びベッドに押し倒されて南條先生の顔を見上げたら、先程の神妙な顔はきれいさっぱりと吹っ飛んでいて。 南條先生はめちゃくちゃ悪いオトナの顔で、俺を見下ろしニヤけていた……。 「そんなこと言われたら、もうオトナとか関係なしに期待に応えてやるしかねえじゃねぇか!」 や、やばい。今更だけど、煽りすぎたかもしんない!! ひえええ~~っ!!でも期待しちゃう!だって腐男子だから!!

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