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三つ子、3分の2③

 吐き出された、濡れた吐息(いき)は誰のものだったのか。  優太の股ぐらに座った翔太は、制服の下衣を脱ぎ捨てた足が閉じないように優太の足で押さえつけられている。  優太の脚はしなやかに筋肉をまとっていて、張りがある。その腿の半ば辺りが、生来の白と日焼けの境になっていた。  柔い拘束を施しながら優太は背後から翔太を包むように抱き、短い髪に口付ける。  「見られるの、興奮する?」  耳殻を食み、優太が囁くと翔太はくぅんと小さく鳴いた。  その二人の前に眞澄と陽樹は正座で座り、食い入るようにその膨らんだ下着を見ていた。  くきゅ。と、どちらのものとも思えない、嚥下。  翔太の腕は背後の優太にからめられ、やや反った背中に突き出された胸が深く、呼吸して揺れていた。  「あ、んっ、」  優太の太い指が腹で下着の頂を撫でる。  ひくと翔太の内腿が震えて、一瞬閉じそうに力が籠った。  「ねぇ、翔太。」  その足を絡めた足で押し広げて、白い腿が陽の光を反射する。  それが眩しくて赤いボクサータイプの下着が映えていた。  「ふあ。」  「啓太って、ココ、好きだったよね」  淡々とした口調の中から飛び出してきた名前に心臓が飛び上がる。  顔をあげて優太を見ると、自分の指先に翻弄される翔太ではなく、過剰な反応をしてしまった眞澄を見ていた。  「ふあああ……」  掌を湿った下着の山頂に宛がって躙る。腰が浮いて、翔太の唇から意味をなさない声が上がる。  「どんな感じか、教えてあげたら?」  耳に吹き込まれた声に翔太は唇を結んでふるりと震えた。開かれた足の間、浮かせた腰は強張ってかくかくと細かく震えている。  ふぁ、  と、結んでいた唇をほどいた。  「あたま、が、」  「なに?」  優しく問う声がまた、啓太と被って、正座した足の間で欲望が擡げてくる。  「はっきり言わないと聞こえないよ」  ひくんと翔太の体が跳ねて、下着のシミが濃くなる。それを、上から押し付けてまた、くるくると掌を躙る。  「へぁっ、あああっ」  ぴくんぴくんと腰が揺れる。  「ほら、教えてあげるんでしょ?」  ―――優太先輩って、少し、意地悪なんだ。  普段の部活では、何となくぼんやりして自由。気になるものにすぐ目と思考が奪われる。  多分、その本質を伺わせるのは試合(ゲーム)のときだけだ。賢しく相手を翻弄して出し抜く。  ―――啓太先輩も、実はそうだったら……?  きゅっと睾丸の付け根辺りが締まるような感じがした。  「んっ、」  勃起した性器が下着と制服に押し潰されて痛い。  痛い、し、恥ずかしい。  左手の甲を口にあてがい、右手で自分の股間を然り気無く押さえた。  気取られないように、バレないように。  そんなことをしたところで同じ男同士、性的な興奮を感じれば勃起することくらい判ってる。  現に食い入るように見ている陽樹だって膝の上に握って置かれた拳の間に制服が山を作っていた。  「どんな感じ?」  「っ、あ、あたまが、あたま、ふあって、して、はああっ」  話始めると手の動きが顕著になり、ビクビクビクと翔太の尻が痙攣する。  眞澄は知らず、自分の腿を擦っていた。もどかしくてもどかしくて、どう処理したらいいかわからなくなっていた。  「へんな、声、でるっ!」  「変な声でる!じゃねーよ」  「いて」  「あひんっ」  後ろから後頭部を叩かれた優太の額が、翔太の頭にクラッシュ。  くるりと目を丸くした後輩ふたりの目に冷ややかな態度の啓太が写った。    

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