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頭、馬鹿になる。③

 目の前に露出した性器は眞澄そのものみたいに華奢だった。  服を汚さないように全裸で寝そべった体は恥ずかしそうにきゅっとシーツに爪を立てる。  「せ、んぱいのと同じ、ですか?」  「どうだろ」  自分でも、興奮に声が上ずったのがわかった。  大風呂で見慣れているはずなのに、やっぱり初めて見たカタチと状況だから、興奮する。  「そんなに、変わらないよ」    皮膚の延長にあるそれは同じように白くて、先が赤い。  自分のより細くて、白くて乱暴にしたら傷付きそう。  「色は、白いね」  「……っ」  視線に反応したのか、言葉に反応したのか、くく、と幹が反り、動く。  意識の他での出来事に違いないはずなのに、眞澄は真っ赤な顔を両手で被ってしまう。  それは凄く、勿体ない気もしたが、あまり無理を強いるのも可愛そうな気がした。  感じてるんだ。  俺の視線に、声に、言葉に。  ―――イジメタく、なるけど。  今はまだしない。それで泣かせたくはない。  先端が少し潤んでる。  そこにもう一度溜めた唾液を滴らせる。  「……う、わ」  顔を覆った両手の隙間、少し充血した目が揺れながら自分に施される愛撫を見ていた。  「フェラ、するんですか」  あからさまなその言葉に、一瞬驚いて上目に眞澄の顔を見た。  それは、知ってるんだ。  「昼間、先輩にしたみたいなやつ……?」  「いやぁ……」  アレは未遂だ。  でもさせようとしたんだから間違いじゃない。  しかし、その認識があったのだとすれば、それは、気まずい。  非常に。  「ちょっと、違う、かな」  「っあ、」  唾液で滑った先端を指で撫でる。  ふるりと体が震えた。  指の腹で撫でるように人差し指から、小指までを順繰りに動かして、先端を撫でた。指を押し付けて、中節骨が当たるように往復させる。  「アゥっ、ン……」  びくんと眞澄の腰が跳ねてきゅっと足が締まった。  押し殺せない甘い声が股間を刺激する。ジンジンする。  「うわ、あ」  4本の指を使って撫でるように触るのを何度か繰り返すと、眞澄の腰が浮く。自分から押し付けてくるように体が反応している。  「ァ、ゥ」  頭を撫でると華奢な幹は撓んで、左右に逃げてしまう。だから、左手を筒状にして、逃げ場をやんわりと奪う。  「ほぁ、っ」  こりりと骨と先端の割れ目が擦れ合った瞬間、間の抜けた声が眞澄の口から漏れた。  顔を覆っていた掌が、紅い唇を覆うのを見た。  「ふぁぁ、おわ、はふっ」  亀頭を強く擦るように撫でるたび、眞澄は声を漏らす。  同じ男だから判ること。  「いあ、や、ヤダ」  「気持ちよくない?」  開いた毛穴から汗がキラキラ光って見える。  眞澄は嫌々する小さな子みたいに懸命に首を左右に振る。  一度手を止めて、反応を待った。多分、男ならコレで感じないヤツはいないと思う。  でも、感じ方は様々だ。  「こ、こし、が」  「ん、」  「腰がふわふわして、頭が、くらくらする」  涙声混じり、まっすぐ伝えてくる眞澄が可愛くて、額に口付ける。  「判った」  つまりは刺激が強すぎたらしい。  「コレは、また今度ね」  これ以上は本当に頭が爆発しそうなくらい顔を赤くした眞澄の頬を撫でる。  その手がさっきまで性器を握っていたことはこの際言いっこなし。  唇に口付ける。  多分、このあとキスをするのは気が引けるだろうから、3回した。  それにきょとんとした眞澄の顔がどんな風に快楽に溺れるか、たっぷり見られないのは勿体ないけど、それはまた次の機会で堪能しようと思う。  まだ反り返ったままの性器に指を絡めると、眞澄は少し不安げに見上げてくる。  不安と、興奮。  その目に視線で応えて意識しなくても溜まった唾液を口に含んだまま、嬲られて充血した先端にキスをした。  

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