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第3章ー8
甘く、青臭い強烈な香りがクガミの鼻腔から体の中へとなだれ込む。その瞬間、腹の底からカッと燃えるような感じがした。体温が上がり、ドッドッ、と心臓が速い鼓動を刻む。ぐらぐらと頭が揺れ、液体が頬を伝い落ちていく感触にさえ感じてしまう。
「ッ、ん……く、ぁ……。一体、何を……した、ッああ!!」
陽物の先端の穴を細い蔦が抉り、クガミは背を弓なりに反らせ悲鳴のような声を上げた。目の前が真っ白に染まり、腰が勝手に突き上がる。ひゅう、ひゅう、とか細い呼吸を溢しながら、クガミは達してしまっていた。
陽根からはびゅくびゅくと白濁が吐き出され、地面に落ちていく。
脱力感と屈辱感に苛まれるクガミの耳に、喜色ばんだイザナの声が届いた。
「そいつ達の粘液や吐き出す液体は催淫効果がある。感じにくいものでもよがる強力なやつだ。お前も今日ので癖になるかもしれないな」
「……だ、れが……なるかッ!! ん、は……あ、く……」
否定している間にも、果てたばかりで過敏になっている陽根を蔦に扱かれ、クガミは身を悶えさせた。項垂れていた陽根もすぐに首を擡(もた)げ始め、先端から白濁交じりの露を溢す。腫れぼったくなってしまっている左右の胸の粒も緩急をつけて引っ張られたり、円を描くように撫でられると甘い声が上がるのを止めることが出来ない。
「ひ、あぁ……く、そッ……んんっ、う……あ!!」
クガミの意思に反して身体は昂ぶっていくばかりだ。達しても、達しても、蔦の快楽責めが止むことはない。何度も身体に蔦が吐き出す気味の悪い液体をかけられ、その上自身の吐き出した白濁がかかり全身がどろどろだった。
そうして、クガミの意識が濁り始めた頃だった。漸く陽根や胸の粒から蔦が退き、クガミが安堵する。が、それで責めが終わるはずもなかった。
「っ、な……そ、こは――」
クガミの大きな体がびくりと震えた。恐怖で声が僅かに上ずる。誰にも触れさせたことも、見せたこともない秘められた場所に一本の蔦が触れたのだ。
蔦が双丘の奥にひっそりと息づく後孔の縁を撫でる。
クガミは、蔦たちがこれから何をしようとしているのか理解してしまった。が、身体を拘束されてしまっている上に、何度も精を搾り取られ文字通り精根尽き果ててしまったクガミにはどうすることもできない。
ただ、僅かばかりの抵抗として、「やめろ……、離せ……っ」と力なく言うしかできなかった。
縁を撫でていた蔦が、後孔にグ、と先端を沈める。浅くだが、体内に異物が入り込んでくる。今まで誰にも許したことのないクガミのその場所を、ゆっくりと、しかし確実に押し広げ、蔦が進む。
蔦自体がぬめりを帯びているのに加えて、催淫効果やクガミの体から力が抜けているのも手伝って、たいした痛みも無い。ただ、臓腑を下から押し上げられているような異物感と、内壁を擦られる度に微かに走る甘い感覚に、クガミは絶望していた。
俺は、こんなことをされても感じるのか?
いくら蔦が吐き出した変な液体の効果があるといっても、本来排泄器官であるその場所を抉じ開けられ、中を蔦に擦られ感じるものなのだろうか?
ずるずる、と蔦が容赦なくクガミの中を行き来する。蔦の粘液なのか、はたまたクガミの体から分泌されたものなのかは分からないが、クガミの耳にはその部分からぐちゅ、ずちゅ、と濡れた音が聞えた。
もう、何も考えられない。いや、考えたくない。心は冷えているのに、快楽ばかりが体の中を渦巻いている。
内壁が、無意識に蔦に絡みつく。蔦がクガミの中でうねり、クガミの感じる一点を先端で執拗に撫で、押し上げる。
「っ、く……ひ、――ッ!!」
がくがくと体が小刻みに震え、意識が真っ白の波の中に浚われる。陽根からは、薄くなった白濁が勢いをなくし、だらだらと竿を伝い地面へと落ちていた。
終わりの無い責めに耐え切れず失神したクガミの身体を、蔦が無慈悲に揺さぶり続けていた。
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