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第4話
『──────────は?』
ちょ…ちょっと…待て
今、俺の名前が聞こえたような…
あと、
“つきあって”…って……
『隆之、俺とつきあって?』
ほら、やっぱり。
─────って!
『はぁ!?お、……俺?!』
『うん』
『……え?え?なんで?岡田は?』
『岡ちゃん?岡ちゃんは…いーの』
『いい?……いいって…どういう事?
え、えーと、そだ!コクったのか!?』
『ううん?コクってなーい』
『…はああっ!?コクってないっ!?』
『うん』
『…えぇ??』
なんだ?
なんで?
『だって~、
つきあうなら隆之の方がいいもーん。
それに隆之だって…俺の事 好きでしょ?』
『──────っっ!?
おまっ、なんでそれを……、あっ////!』
『ふふ~。やっぱり~♪』
やっぱり?
やっぱりって何!?
バ、バレてたってコト……っ!?
えぇぇぇぇ////!?
『だからさ、隆之。俺とつきあお?』
要はニコニコ笑いながら
出した右手を更に目の前に突きだす。
『え……、……え///??…マジ?
岡田じゃなくて…俺でいいの…?』
ふってわいたような急展開。
もちろん、嬉しい方に、だ。
『うん。隆之がいーの。
愛するより愛される方が幸せになれるって
よく言うじゃん』
『……はぁ?なんだ、それ……』
えーと…つまり?
“要が好きな岡ちゃん”といるより、
“要を好きな俺”といる方が幸せになれる
って言ってんの…?
ええ……?なにそれ
なに、その打算的な考え…
持ち上げられてからの…急降下。
これは…イタい
かなり、イタい…
でも………
岡田より 俺の方が…要を幸せに出来る…
自信なら…ある。
ありすぎるほど、ある。
『よ、よし……分かった!つきあう!
………って…なんか忘れてるような……、あ!
そ、そうだ!お前、学校…!』
卒業したら 県外の遠く離れた
美容師の専門学校に行くって…
って事は、いきなり遠距離恋愛!?
なんつー、過酷な展開なんだっ!
『あーそれね。だいじょーぶ。
隆之の大学の近くにしたから~』
要は差し出していた右手をVサインに変えて
微笑む。
『…………え、は?そ、そうなの?』
『うん。アパートも近いんだよー?』
『────え?
なにそれ?なんで住所まで…!
お、お前…!一体 いつから……!?』
『ふっふっふ~。
細かいコトは気にしなーい!
っていうか、そろそろ帰ろ?』
そう言うと 要は俺の手を取り指を絡ませ
校門に向かって歩きだした。
『あっちでも よろしくね?隆之』
『………お、おう…///』
『今までより もっと仲良くなろーね』
『…………へ?…お、おぉうっ///』
『今、なに想像した?』
『……へ?な…なにって……ナニ…
じゃなくて!き、聞くなよっ////!』
『うんうん。ナニ ね~ ♪ 』
『う、うっせぇな///
お前はもう何も言うなっ///!』
『分かった~。ナニ も言わな~い』
『────っ/////』
こうして、
ナニが…あ、いや
何がなんだか分からないまま
俺は要とつきあうコトになり
2週間後には
2人で新しい街に引っ越した。
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