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第5話

────3年後 明日は仕事がいつもより早いって ぼやいてたクセに要は俺よりだいぶ遅れて 寝室に入ってきた。 『ん~…眠ぅ…』 『何やってたんだ?』 『うん…ドラマ観てた… 時間ないから早送りで2つ…』 『ドラマ?2つも?』 『うん…お客さんとの話題作り…』 『そっか…大変だな』 『うーん……まだ下っぱだからさ… 髪は切らせてもらえないけど… 話し相手くらいは…ねー』 『そか…』 「ふわぁぁ~」と大きなあくびをして 布団に潜り込んできた要の頭を撫でてやると 要は嬉しそうに ふにゃあ と顔を崩した。 『お前、髪 触る仕事してるのに 髪 触られるのも 好きだよな』 『ん~…隆之に触られるの…好き…』 『………っ…////』 か、かわいい…/// キスしたくなって顔を近づける と、……要は ふいっと顔を反らした。 『あ…ごめん。えーと、…スる…?』 『いや…明日、早いんだろ?寝よう』 『…うん、ごめん…おやす…み…』 『おやすみ』 相当 眠たかったらしい要は、 目を瞑ると すぐに寝息をたてはじめた。 『………』 別にセックスしたかった訳じゃない。 キスをしたかっただけ…なんだけど。 かわされて謝られるとか… ちょっと凹む。 しかも…… ここ最近、こういうの…多くて… かなり凹む。 『はぁ………』 最近、どうも要の様子がおかしい。 仕事でなにか悩みがあるっていうのは 要本人から 聞いて知ってはいる けれど… 元来、能天気でマイペースな性格の要は 落ち込んだり悩んだりしてても 立ち直りが早い方だ。 だけど、今回は余程の事なのか 今までになく悩んでる時間が長い。 そう…そうだ。 その頃からだ… キスをかわされるようになったのは。 もしかして…… 仕事の悩みじゃないんだろうか…… そもそも何を悩んでるんだろう? もしかして…原因は……俺……? じゃないよな…? じゃ…ないよな? でも…なら… なんでキスを避けるんだろう…? 『まさか…他に好きな人が… いや、飽きたとか…倦怠期とか…… ……………………|||||』 ────あ…、ヤバい…… 自分で言って、 自分の言葉に傷ついた……… 3年前…… 卒業式のあの日 “愛するより愛される方が幸せ” 要が言った言葉のとおりなら 『要は……俺といて…幸せ?』 俺は 要を幸せに出来てるはず…なんだ。 幸せに………出来てるのだろうか…? 『……あー、やめやめ!』 要は 俺を好きでいてくれる そう思える時の方が圧倒的に多い ただ、少し… ほんの少し…寂しくなる時もあるってだけ それだけ 気にするほどの事じゃない。 『寝よう…要を起こさなきゃ…』 そう言い聞かせて 無理矢理 目を閉じても なかなか眠りは訪れてはくれなかった。
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