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第9話

『……うっ………く………』 『……たか……ゆ…き……』 ボロボロと涙を溢す俺を 要は 驚いたように目を見開いて じっと 俺を見つめている。 だんだん 高ぶっていた気持ちが落ち着いてくると 自分がした事…言ってしまった事の その、重大さに気がついた。 なに…やってんだ……俺…… 『終わった………』 もうこれで…終わりだ…… 『………え?おわ………?』 『……ごめん…っ…!』 もうこれで…終わった…… 終わってしまった……! 涙を拭って、 急いでベッドから飛び下りようとした──── が、 『……え?え?ま、待ってーっ!』 『───っ!!』 背中から要が飛びついてきて 『『……うわぁっ!』』 一緒になって床に転がり落ちた。 『────いっ…てぇ…』 『───いたたた……、って! ご、ごめん!つい夢中で…大丈夫?』 『─────う…ん……』 カッコよく逃げる事も出来ないのか…俺は。 なんか……ホント情けない…… 『えーと…隆之…』 『……うん…』 『ちゃんと話そ?』 『…………うん……』 そうだ…… ちゃんと話さないと… きっと…終わるに終われない……

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