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第180話

甘くてふわふわする不思議な味。 もしかしたら初恋の味ってこういうのをいうのかなぁ…? あ、でも初恋は酸っぱい味って聞いたことあるから違うのかも…。 なんか、体がぽかぽかしてあったかい 「ん、く」 缶に入っている飲み物をもう少し飲もうとするけど上手く飲めなくて口の端から零れてしまった。 ちょっと服が汚れちゃった… まぁ、いっかぁ。 「…玲緒?」 突然聞こえた唯の声に少し驚いたけど嬉しくなって抱きついた。 だって大好きな唯の声だったんだもん。 「あ、唯だぁ」 唯の肌に身をすり寄せた。 俺の体もぽかぽかであったかいけど、唯の体もあったかい。 「いい匂いする〜!」 「………酒飲んだのか…」 唯は呆れたようにため息を吐きながら俺が左手に持っていたふわふわする缶を取り上げてしまった。 「…………全然減ってないし」 「うっ、ひぐっ、うぅっ…」 「わっ、……なに?どうした?」 「ひっ、…ゆい、はぁってため息した…おれ、ため息いや…!……怒られるのもいや!」 そう言って泣きながらジュースをちょうだいと唯にせがんでみるけど、唯はダメだって言ってジュースくれない。 「ジュースくれないのもいや……」 唯はジュースの缶をテーブルに置いて、俺のことを抱っこしてくれた。 リビングを出て向かったのは寝室。 ゆっくりとベッドの上に座らせられた。 浴衣って動きづらい…。 袖を引っ張ったりしてみるけど伸びない…。 なんで伸びないの! 「……玲緒可愛い」 「へへ、おれ可愛いよ〜!」 「…してもいい?」 「ん〜いいよ〜」 なんかよく分からなかったけど、じーっと見つめてくる唯がかっこよくて照れちゃうから適当に返事をしちゃった。

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