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第186話

「痛っ……」 朝6時過ぎ、目が覚めると体中のあちこちが悲鳴を上げていた。 唯に抱きしめられる形で眠っていて恥ずかしい気持ちと嬉しい気持ちが半分半分。 ていうか頭ぐらぐらする…気持ち悪……。 なにこれ…こんなの初めてだよ……。 昨日のことはあんまり覚えてないから多分すぐに寝たんだと思うけどなぁ…。 「ふぁ…おはよう玲緒」 「あ、おはよう…ごめん起こした?」 そんなことを考えていると唯が眠そうに欠伸をしながら俺を抱き寄せてから頬に軽いキスを落としてきた。 「今日はキス魔じゃないんだな」 よく分からないことを言われて唯の方を見るとニヤニヤとした笑顔で機嫌が良かった。 …………まさか昨日何かあったの? 「…なんかあったの…?……っ!」 頭がズキズキと金槌で打たれたように痛む。 そんな痛みに襲われて思わず顔をしかめた。 そしたら唯は「あぁ」と独りでに納得したように頷いて何も言わずに部屋を出ていった。 その後ろ姿を呆然と見ながらきゅうっと胸が締め付けられる。 毛布を抱き上げてそこに顔を埋めた。 「……そばにいてよ…」 ふわりと抱きしめられるような感覚。 優しく香る甘くて爽やかな匂い。 ほんの少し低めの大好きな声。 「悪い、薬を取りに行ってた」

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