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第191話
そんなことを話しているうちにあっという間に時間は過ぎて、ガチャリと玄関のドアが開く音がした。
「あ、唯さん帰ってきたかな〜」
そう言って八坂さんは鼻歌を歌いながらゲーム機器などを片付け始めた。
八坂さんとは思ったより話がどんどん弾んで、一緒にご飯を食べるのがすごく楽しみになっていた。
「ただいま…あ、八坂、悪かったな」
帰ってきた唯は俺を見ると一気に笑顔になってくれたようで、俺も唯のことをみてすごく元気になった。
「いえいえ〜玲緒くんと話するの楽しかったからいいよ〜!伝言もちゃんと伝えておいたよ」
八坂さんは荷物を全てまとめ終えていて、リュックを背負ってドアの前に立っていた。
「ありがとうな」
「じゃ、またね玲緒くん〜!良い日があったら教えてね!」
「はい!」
八坂さんはニコニコして手をぶんぶんと振りながら歩いていった。
玄関のドアが閉まると後ろからぎゅうっと抱きしめられて頭だけで振り返ると、唯はいつものダークスーツを着ていて、瞳を閉じていた。
「おつかれさま、眠い?」
「いや大丈夫、玲緒を抱きしめたかったの」
「そっか」
そんな唯の言葉に思わず頬を緩ませた。
こういうところは唯も可愛いんだよなぁ。
「少し話したいことがあるんだけど良い?」
「え、うん…良いけど」
唯は俺の返事を聞くと、悲しそうに笑ってスーッと離れて着替えに行った。
…なんか気になる…。
…………………………また別れ話とか距離置こうっていう話だったらどうしよう…………。
とりあえず、飲み物を用意しておこう…。
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