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第198話
今日はハンバーグを作った。
ちょっとつくるの大変だけど、いつもより時間があったし材料もなんとかなりそうだったから作ることにした。
「いただきます」
唯が一口目を食べるのをじーっと見つめて感想待っていた。
「ふふ、美味しいよ」
「ほんと!?いただきまーす!」
それを聞いて、ぱくっと俺も口の中にハンバーグを放り込んだ。
………うん、我ながら上手に出来たと思う。
「……さっきはかっこ悪いところ見せたな」
唯は少し照れたようにハンバーグを見つめながらそう言った。
ハンバーグじゃなくて俺の方見ればいいのに…
それよりも、さっきは、って…泣いてたこと、かな?
「全然かっこ悪くなんてなかったよ、俺の前では泣いてもいいんだからね?」
そう言うと、唯は驚いた表情をしながら顔上げてその後に柔らかく微笑んだ。
「ありがとう、玲緒」
「お礼なんて言わなくていいよ…!あ、それよりさ!明日行くところなんだけどね……!」
そう言って明日行く場所の話を切り出した。
明日は久しぶりに唯とデート。
どこがいいかなぁってたくさん考えて悩みに悩んだ結果、選んだ場所。
八坂さんにもちょっとだけ手伝ってもらったりした。
直前まで唯には内緒だけど、楽しんでくれたらいいなぁ。
彼が笑顔になるのを頭の中で思い描いていると思わず頬が緩んだ。
唯はそんな俺をみて不思議そうにしていたけど何も言ってこなかった。
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