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第200話 唯side
「ん〜、唯?…今日はしないよ?」
ベッドに入ってから玲緒を抱き寄せると明日はデートでしょ、って玲緒は笑いながらそう言った。
今は8月の終わりで少し暑いけど、寝室とリビングにはクーラーがあるのでそこまで気にならない。
「分かってるよ、ただ玲緒を抱きしめたいの」
「ふ〜ん……ねえねえ明日楽しみ?」
「…まぁ、楽しみにしてるよ」
そう言うと玲緒は嬉しそうな笑顔になって、俺の手をぎゅっと握られた。
「…どうした?」
「え!…っと、なんか…嬉しくなっちゃって…」
玲緒は少し恥ずかしそうに顔を背けようとするけど、俺が抱きしめているので全部丸見えだ。
腕の中でもじもじした玲緒はまだ手を握っているのに気がついてパッと離した。
「手、繋いじゃった…」
かああっという効果音がつきそうなほど頬が赤く染まるのが、薄暗い部屋の中でもはっきりと分かる。
「いいよ、手繋ごう」
そう言って玲緒の手を取って玲緒がしたようにぎゅっと握ると、玲緒は途端に頬を緩ませてじーっと手を見つめていた。
普通の男子高校生ってこんなに可愛いものなのか………?
そんな自問自答をしているうちに玲緒はだんだん眠くなってきたようで、とろんとした瞳になっていた。
それに気がついて枕元の小さい明かりを消して玲緒の髪を梳くように撫でた。
「……おやすみなさい」
「ん、おやすみ」
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