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第204話

「次の信号曲がってね」 「あぁ」 行く場所はまだ内緒にしてあるから道案内はもちろん俺。 たまには唯にもドキドキ感っていうのかなぁ、そういう気持ちを味わって欲しいんだ。 てか、それにしてもやっぱり運転上手だな…。 すごく心地良くて疲れてたらスーッと夢の世界に旅立てそう…。 俺も免許とって車運転するようになったらこんな風にかっこよく運転したいなぁ。 * 「あ、次は左だよ。もうそろそろ見えると思うんだけど……あっ!見えた!」 唯が運転、俺が案内をすること40分くらい。 到着したのは… 「なるほどな、植物園か」 「うん、植物が綺麗って書いてあってね!唯も喜んでくれると思ったんだ!」 そう、植物園。 たくさんの花や木、植物があるらしい。 八坂さんにも下調べを手伝ってもらって、ここにしようって決めたんだ。 それに植物ってリラックス効果にも良いんだそう。 「えっと、…あ、受付あっちだ…ちょっとまってて、行ってくる!」 受付の場所まで走って行って、大人二人分のチケットを買う。 お姉さんはニッコリとした可愛らしい笑顔で俺に入場券を売ってくれた。 おまけに飴もくれて、すごく優しい人だ…! 「あの、もう1つ貰ってもいいですか?」 「どうぞ」 お姉さんは嫌な顔一つせず、飴がたくさん入っている瓶を俺に差し出してくれた。 その中から唯が好きそうな…って唯、飴なんか舐めるかなぁ……ま、いっか。 黄色いレモンの飴を貰うことにした。 お姉さんにお礼を言ってから、入場券と飴を持って唯がいるところに戻った。 「はい、これ入場券と飴!お姉さんがくれたんだ。」 「へぇ、良かったな。行こうか」 「うん!」

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