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第208話
「綺麗だな」
隣を見るといつの間にか唯が立っていて、俺が見ていたそのピアスを優しい眼差しで見つめていた。
「そうだね、でもこれには劣るよ」
そう言って俺は髪をかきあげて、耳についているピアスを見せて笑った。
「ほんと、玲緒は可愛いな」
そんな俺をみて唯もくしゃっと笑って頭をわしゃわしゃと撫でてくれた。
「もうちょっと待っててくれるか?」
「うん!」
唯は良い子だなと微笑んでから、お店の奥の方に行ってしまった。
もうちょっと、待ってよう。
そう思い今度は洋服のコーナーを見て回った。
あんまり服には詳しくないから流行りとか全く分からないけど、夏樹が服装にはうるさくて、よく話を聞くことはある。
〜が良くて〜は悪いとか聞いてもよく分からなかったけど、唯の隣にいてもおかしくない服装ができるように、もう少しちゃんと聞いておけば良かったなぁと後悔した。
「この服、唯に似合いそうだなぁ」
大学生になったらバイトしてお金稼いで、唯にプレゼントとかしてみたいな。
そしたら驚いて…喜んでくれたりするのかな。
そんなことを想像してみるとその時の反応が少し気になってきた。
あれ、そういえば唯の誕生日っていつだっけ。
記憶を辿っても唯の誕生日については聞いたことがない気がするし、思い出せない。
本人に聞くのは少し恥ずかしいから八坂さんか折原さんあたりにでも聞いてみよう。
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