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第210話

いつもは周りの視線とか、すっごく気になるんだけど今日はそんなことを思うことすら忘れていた。 それよりも別の感情が俺の中で渦巻いて消えなかったから。 お店から出て駐車場の方まで行くと唯が助手席の方のドアを開けてくれて、そのまま車に乗って唯も車に乗った。 「ねえ唯」 「あ?」 「………セックス、したい」 俺がそう言うと車内には沈黙が広がった。 唯は下を向いて俯いたまま動かなくて、俺の胸はずんっと一気に重くなった気がした。 「う、嘘…!やっぱりいいっ」 「…なんで?」 下を向いてた顔を上に上げて俺の顎をくいっともって寸前の距離で止まった。 恥ずかしい…よ、なんでこんなことするんだろ…いつもはあんまりしないのに。 「玲緒からヤりたいなんて言ってくれたの久しぶりだから聞いただけで勃ちそうだったんだけど」 唯がそう言い切るタイミングで強引に唇を奪われて、少し乱暴気味に舌を絡ませ合う。 やばい、どうしよう……ほんとにえっちなことしたくなっちゃう。 「……やっぱりしたい…」 「可愛い…すぐ帰る」

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