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第215話 唯side

俺の時とは違って緋水はすぐに保育園に入ることになった。 その時に両親から言われたのは「緋水の面倒をちゃんとみてあげてね」と兄になったことを自覚させるような言葉。 弟ができて嬉しかった俺はその言葉に、素直にまっすぐ受け取った。 「ひーくん、お着替えしようね」 「あーぅ」 「ひーくん!お手手出して〜!」 緋水はすくすくと育ち、成長していった。 緋水の成長を見ていると出来なかったことも1人で出来るようになり俺も嬉しくなったのをよく覚えている。 緋水が小学校に上がったのは俺が中学1年になった時。 あの時は緋水が散々泣いて大変だったのを思い出す。 「なんでぇ!ゆーくんとがっこういくの!」 そう言って父さんと母さんは困ってたっけ。 俺も苦笑いをしてた気がする。 それから俺と緋水は2人で留守番をすることが多くなり、一緒にいる時間も増えた。 一緒に勉強もしたし、遊んだりもした。 喧嘩もすることはあったけどちゃんと仲直りをしていた。 一緒にいた時間が長くて濃いものだったから多分普通の兄弟より仲が良く、今でも電話をしたりする。 そんな緋水からの電話で何かあったのかと冷や冷やしながらさっき伝えられた場所に車を走らせていた。 「無事でいてくれよ………」

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