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第216話 唯side

緋水は父さんと母さんと一緒に一戸建て住宅に住んでいる。 久しぶりに帰る実家に少しそわそわとしながら玄関のドアに手をかけると、鍵はかかっていなかった。 「不用心だな………」 中に入ってから鍵を閉めると二階の奥にある緋水の部屋に向かった。 家には両親はいないようだ。 部屋はほとんど真っ暗で静まり返っている。 そして緋水の部屋に近づくに連れて部屋の明かりが廊下の方まで漏れていて息遣いまで伝わってくる。 「緋水?」 そう名前を呼びながら部屋に繋がるドアを押す。 「ぁっ、にいちゃ…っ」 そしてその光景に息を飲んだ。 「くる、しっ、…ぁっ…!」 はだけた衣類にヴヴヴと後孔で動いているもの、荒れた吐息、腹に飛び散っているソレ。 「お、おねがぃっ…にいちゃんっの…ほしぃ」 緋水は苦しそうに腰をうねらせていて、傍に行くと俺の腕に縋りスラックス越しに口であむあむと咥えだした。 「や、めろ…」 そう言って、顔を遠ざけようとすると緋水は悲しそうな寂しそうな表情をする。 「ぁ…ご、ごめん、なさい」

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