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第217話 唯side

「に、いちゃ…もっ、かえって…」 「帰らねぇよ、それにどうすんだよそれ」 ベッドの上で息を荒くしている弟を落ち着かせようと背中を撫でてやっていた。 だけど今の状態では効果はなかったようで、むしろ体に刺激を与えていたらしい。 「ぁ…ど、にか…する…」 「どうにかって?」 「……っ」 「緋水、答えて」 それ以上応えようとしない緋水に、名前を呼んで答えるように促した。 「だれか、よんで…おさめる、からっ」 そう言いながら涙を流す弟。 弟が名前も素性も知らない誰かに体を貫かれるのは兄として見ていられない。 「…目、閉じてろ」 * 「ご、ごめんなさい」 「何があったか話してくれ」 片付けや後処理が終わったあと、リビングでミネラルウォーターを飲みながら2人は向き合っていた。 「同性愛者に…なり、ました。」 唯は玲緒とのことを家族には一切話していない。 緋水も、ということは遺伝子レベルでそういう血筋だったりするのか?と疑問にも思ってしまう。 「それで?」 「色々勉強…して…その、セックスに…興味が出てきて、玩具買ってやってみようと思ったんだよ。でも興奮するか分からなくて一緒に売ってた媚薬も飲んでみたりして…」 そこまでを恥ずかしそうに話していく緋水を見ていて、だんだん話の流れが読めてきた。 「出会い系のサイトにも登録はしたけど、やっぱり知らない人って怖くて………」 兄としては出会い系サイトで相手を求めなかったという賢明な判断ができたことに少しだけ安心した。 「俺に連絡してくれて本当に良かった……」

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