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第226話 唯side
若の酒癖はあまり良くないことを知っているので、自ら進んで行きたいとはなかなか思わない。
若は酔うとネジが外れる。
というか酒が弱すぎる。
確か以前はカクテルだけでも酔ってた気がする…。
本人は酔っている間の記憶がなくて、次に起きた時には何事もなかったかのように振舞っているが俺たち幹部は結構な苦労をしたこともあるんだ…。
八坂はまだ若と飲みに来たことがなかったか…?
「わぁい!若と唯さんとデートだー!」
八坂が予約した店は個室になっているバーのような所で、ほかの部屋の音はほとんど聞こえなくて落ち着いていた。
そして部屋に案内され店員が出ていった途端、八坂は声を上げて喜びだした。
3人でデートって……………。
若もそれを見て微笑んでるし…。
「八坂は可愛いね、なんだか微笑ましくなっちゃう」
若はそんなことを言って案内された時に用意されたカクテルを飲み始めた。
八坂の頭をよしよし、と撫でていて八坂もえへへと若に寄りかかっていた。
無事に帰れるだろうか、とそんなことを考えながら車を運転するために頼んだノンアルコールのカクテルを喉に流し込んだ。
*
そして先程の冒頭に戻る。
「きいてよ若ぁ〜!飛鳥ってば俺が買っておいたチョコレートケーキ食べちゃったんだぁあ〜」
こいつ、絶対酔ってない。
こんなの振りに決まってる…と思うんだけど。
八坂は割と酒が強い。
だからこんな弱い酒で酔うはずはないのに、今は泣きながら若に話をしている。
「へぇ〜、そえはひろいねぇ」
若も若でかなり酔っていて泥酔状態だ。
その証拠に既に呂律が回りきっていない。
さっきから「ミオ」と言う名前を何度も何度も話題に出していて、そろそろ耳にタコだ。
それも、なんか…アダルトな話ばかりだし…。
俺はどんな顔をしてここにいればいいんだ…?
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