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第229話
「んぅ〜」
どうしよう、やばい眠い。
勉強しなきゃいけないのに…と思いながら玲緒は強力な睡魔に襲われていた。
「ふぁ…やべ、寝てた…」
気がつけば首がカクンッと揺れて目を開けた。
もういいや、どうせ寝るならベッドで寝よ…
そう思い開きっぱなしの教科書やらテキストをそのまま放って自分のベッドに流れ込んだ。
「ん〜」
玲緒は机の上に立てておいたスマホのことなどとっくに忘れていた。
もともと連絡はあまりとる方ではないし、こまめにチェックすることもあまりない。
だから気が付かなかったんだ。
着信が来ていることに、
玲緒のスマートホンは携帯の上で振動を続けていた。
*
「ふぁあ…よく寝たぁ〜」
朝、起きて机の上の教材を片付けていると充電しっぱなしのスマートホンに目がいった。
返信が遅い玲緒なりにも一応朝と夜の暇な時間に確認はしているつもりなのだ。
「あれ、唯から電話が来てた…なんだろ」
そう思って唯の電話番号をタップしかけ直してみるけれど早朝ということもあってか繋がることは無かった。
「まぁいっか…支度しなきゃ」
まだぼんやりとした頭のまま制服を手に取り身にまとった。
いま着ているのは夏服で朝には涼しく快適だが昼にはじんわりと暑く少し苦しい。
女子生徒の涼しそうな足下がこの上なく羨ましい。
「ごはんごはん〜〜」
今まで朝ごはんを食べない習慣が多かった玲緒だったけれど唯と過ごすうちにいつの間にか朝食をとる、ということに慣れていた。
「今日は何を作ろうかなぁ」
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