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第236話
「大きな声出しちゃってごめん、驚いた」
「俺こそいきなり声掛けてごめんね」
高柳くんは1人用のテーブルにパソコンで何かを打ちながら紅茶を飲んでいたようだった。
「あ、高柳だ〜」
「棚谷 くんと大橋 くんも一緒なんだ」
「悪いかよ」
「いや、仲が良いなぁって羨ましくて」
夏樹が高柳くんのことを睨みながらそう言うと高柳くんは苦笑いをしながらそう言った。
「俺、友達いないからさ…1回くらい友達と一緒に遊ぶの夢だったんだよね」
高柳くんは下に俯いたまま、表情を見せることなくぽつりと呟いた。
そういえば高柳くんが友達と一緒にいるところってあんまり見ないかもしれない…。
なんだか少し可哀想だな………
そう思って夏樹と翔を見てみると2人とも小さく頷いている。
「良かったらさ、俺たちと一緒に遊ぶ?」
って言ってもお茶飲んでこのあとはゲームセンター行くだけなんだけど…と玲緒が照れながら言うと高柳はぱっと勢いよく顔を上げた。
「いいのっ?」
「うん、別に良いよ…2人もいいって言ってくれてるし」
「っ…嬉しい!ありがとう!」
そうして4人での行動が始まった。
*
棚谷 夏樹
大橋 翔
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